桃花ぽえむ【恋愛】A⑮『坂道』

筆者
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執筆大好き桃花です。

本日は、過去に私が書いた恋愛の詩をお届けします。

同系統のものをアルファベットでまとめます。

すべて独立した作品ですが、順番にお読みいただくとストーリー形式になるようにしてあります。

ぽえむ【恋愛】A⑮『坂道』

坂道
あなたを想って 話も出来ずに そっと溶けていくこの恋を
幸せなのかは決められない
私にはこの世の中のあらゆる恋を
すべてならせられるわけじゃないから
それでも私のあなたへの想い
一番大きくて
一番切なくて
一番幸せを感じた恋だった……
大丈夫だよ
目を閉じさえすれば いつでもあなたに会えるのだから

あなたを想って 結晶にならずに すっと水になるこの恋を
幸せに飲んでいいのかわからない
私にはこの世の中の幸せ不幸せ
全部味わえるわけじゃないから
それでも私のあなたへの日々は
一番弾けて
一番苦しくて
一番たまらない恋だった……
大丈夫だよ
耳をすましさえすれば いつでもあなたは笑っているから

    あなたを知ったのは 眩しい季節
    あの一粒一粒がきらめくのは あなたがまだそこに溶けているから
    小さな思い出達を踏み固めてきた道を振り返る

    あなたがどこかで幸せなのなら……

あなたに出会えたことを 幸せだよと滑り始めた
一人で歩く真っ白な坂道

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あとがき

フィナーレへ向かう坂道

夢中だったはずの想いはダメだったんだとわかっても、ずっとその場にうずくまっているわけにはいかない。残念なことに、どんなに「動きたくない」と願ったところで、人生はベルトコンベアのように無機質に流れゆくもので、私達をその場にとどいめておいてはくれない。それは無情なようだけど、私達が濁流の澱となって沈殿しないよう、必要な自然界の配慮システムなのかもしれない。

V字回復という言葉があるけれど、気持ちにもそれは当てはまる。気分も底をついたらあとは浮上してゆくしかないようで、日本人はその状態を「開き直り」とも表現する。言い訳とか屁理屈とか悔しさとかをバネにして、苦境からジャンプするのだ。

今回の詩はジャンプする程開き直ってはないけれど、折り返し地点というか、終結までのまとまりの中のスタートというか、そういう意図で『坂道』とタイトルをつけた。あとは〝恋の終わり〟まで真っ直ぐに滑り落ちていくだけ。待っているのは〝失恋〟というゴールであり、一本道のその坂からは逃れられない。

すべてわかっていて彼女は、足を踏み出すんだね。

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