筆者
執筆大好き桃花です。
本日は、過去に私が書いた恋愛の詩をお届けします。
同系統のものをアルファベットでまとめます。
すべて独立した作品ですが、順番にお読みいただくとストーリー形式になるようにしてあります。
ぽえむ【恋愛】A⑱『ありがとう』
ありがとう
幸せをくれてありがとう あなたは少しも気づくことはなかったけれども 何もないはずの二人の間に 私だけが感じた幸せがあった 他の何にも代えられない 初めての幸せをありがとう 優しい笑顔をありがとう あなたがその優しさを送る相手は私じゃなかった現実だけど 視線を引っ張り続けたあなたの笑顔は 私の中では“特別”になった いつまでも最高のフォトグラフ 溶けるような気持ちをありがとう 頑張る姿をありがとう あなたが努力してきた目標は「一つの夢のため」だったけど 真剣な顔と弾ける汗が 私をぐっと励ましてくれた これからまた苦しくなったら あなたを思い出して頑張りたい 思い出達が永遠のお守り 前向きな想いをありがとう あなたに出会えた この運命にありがとう どこかで何かがずれていたら 永遠に失われていただろうこの出会い あなたがあなたでありがとう 私が私でありがとう あなたと私の間にあった すべての時間にありがとう
あとがき
言葉の見え方
同じ景色でも、朝に見るか、夜に見るかで、雰囲気が全く異なる。
この詩には、どういう経緯があって描かれたものなのかの記載が無いから、単体で見れば明るく朗らかな印象を与えるに違いない。
でもストーリー形式で時系列通りに並べたことによって、この詩は、激しい失恋を経験した後の、永い冬期間の絶望を経て、なんとか辿り着いた、ほとんどサヨナラに近い気持ちだとわかる。
もちろん、どっちの、あるいはどんな受け取り方をしてもらうのも自由だし、読者が感じたことが答えだと思っているけれど。でも朝の詩か、夜の詩か、で見方が180度も変わってしまうから、表現って面白い。
言葉の上では同じ「ありがとう」でも、心の底から感謝しているのか、それとも怒っているのか、呆れているのか、本当は嬉しくないのか、いろんな状況に応じて、いろんな気持ちが無数に存在する。声優さんの練習課目にあるよね。シーンに応じて声の感じを使い分け、そこに感情を乗せていくこと。正解は無いけど暗に伝わっていくもの。声優さんの表現もすごい。
でも決してこの詩は、投げやりなものでも、恨みがましいものでもなくて、やっと前を向こうとした時に拾い上げた、精一杯の気持ちだ。
そしてここからラストへ向かって走り抜けていく、その布石みたいな詩。
筆者
あともう少しなので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
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