桃花ぽえむ【恋愛】A⑲『あなたのように』

筆者
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執筆大好き桃花です。

本日は、過去に私が書いた恋愛の詩をお届けします。

同系統のものをアルファベットでまとめます。

すべて独立した作品ですが、順番にお読みいただくとストーリー形式になるようにしてあります。

ぽえむ【恋愛】A⑲『あなたのように』

あなたのように
私の心に風を呼んだあなたのように
私も誰かの風になろう
思わず目を閉じてしまうくらいに心地よい 優しく穏やかなあなたのように
私も優しい風になりたい
遠いあなたに 声を使って伝えることは出来ないけど
私の心が風になれば
いつかあなたの心にも 見えない想いがそよぐだろう
あなたのように みんなに優しい風になりたい

私の心に星を散らしたあなたのように
私も誰かの星になろう
はっと見上げたらそのとたん 暗い夜空をキラキラと輝かせたあなたのように
私も澄んだ星になりたい
そんなあなたに 感謝の言葉さえ言えなかったけど
私の心が星になれば
どこかであなたの心から 私の輝きが見えるようになるだろう
あなたのように いつでも輝く星になりたい

私に幸せを教えてくれたあなたのように
私も誰かに幸せをこぼしたい
叶わなかった願望は 風に流れて思い出の星になる
あなたにもらった幸せは
悲しむ誰かに少しずつあげられるように
今も私の心の中で大切に大切に抱きしめている
私もきっと 優しく輝くあなたのように

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あとがき

恋との間に生じた隙間

恋をしている時や追いかけている時、勝手に妄想したり勘違いしている時は幸せの真っ只中にあるけれど、それが〝失恋〟という形に真っ二つに割れて、そこから始まる絶望の日々。

誰かを憎みそうになったり、ただただ悲しくて涙が止まらなかったり、やっぱり諦められなかったり、いろんな感情ともみくちゃに闘いながらただ突破口に繋がらないか模索する時間が闇のように続く。本当にその時間は長く、苦しくて、孤独で、永久に終わらないんじゃないかとまで思ってしまう。

でも、そんな日々も永続するということはなく、どこかで途端に冷静になってしまう瞬間がある。

恋のことを、〝いつかは醒める魔法〟と表現してる人があるならば、その魔法が解けた瞬間というか、ずっとぴったり引っ付いていたかったその恋と、1ミリでも隙間が出来た瞬間というか。自分とその恋との間に出来た隙間を認識して、「ああそうか、自分には手に入れられないものだったんだ」と、(もしかしたらずっと以前にわかっていたかもしれなくても、)やっと言葉にして客観的にその事実を見つめられる瞬間。確かに失恋が決まったその瞬間も絶望の底に追いやられるような壮絶なものだけど、その後の悶々とした時期を経て、やっと立ち上がれそうになった時に自分の身に落ちてくるその冷静な視点も、寒々と身を刺すような痛みを伴う。

でもその時は、少し呼吸が出来る。それまでは、息も出来ないような苦しみの中にいながらにして、息が出来ないことさえ忘れていた。苦しみといういかりかたくなに抱き締めながら黒い海の底に沈んでいたのだ。でも、寸分たりとも離れることが出来なかったその恋との間に隙間が出来たことで、呼吸が出来ることに気づく。そして、呼吸さえ出来なかったのだ、という気づきが後から追いかけてくる。

そんな、ふっと呼吸が楽に出来た時に浮かぶ詩は、力の抜けた、少し穏やかな詩になるだろう。

この詩はその、恋との間に生じた隙間に感じたことを綴った詩です。

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