執筆大好き桃花です。
本日は、過去に私が書いた恋愛の詩をお届けします。
同系統のものをアルファベットでまとめます。
すべて独立した作品ですが、順番にお読みいただくとストーリー形式になるようにしてあります。
ぽえむ【恋愛】A⑨『KATAOMOI』
KATAOMOI
私のこと知らないあなたに 何をどう伝えればいいのかわからない 激しい想いを伝えようとすればするほど ありふれた言葉になってしまう きっと一生のうちのたった一つの恋なのに これが最後に思えてしまう 「諦めろ」と唱えれば唱えるほど ますます想いを焦がしてしまう 小さなきっかけや偶然なんかで 人間は運命を感じてしまって もっとずっと素敵な異性に出会えるのかもしれない なのにたった一人しか見えなくなってしまう あなたのどこに落ちたかなんて そんな理由見つからなくて だから「好き」以外に伝えられなくて もどかしくて 苦しくて…… どんなに自分を狂わす想いも あなたと一瞬の時を重ねることなく この溜め息が消えていく間より速く かき消さなくてはいけない片想い こんなちっぽけな無力の私 でもあなたが想うその女性も 私と同じ〝人間〟という存在 なのに二人の間には 天と地ほどの差があって 私は想いを抱く以外に 何もできないか弱い虫けら 届かない そう思えば思うほど 私はこの手を伸ばしてしまう 背を向ければいいのに 涙で心を濡らしてしまう ……今度こそ 幸せの色を見てみたくて あの温かくてやわらかなものに触れてみたくて でもまた今回も 私はその匂いをかいだだけ 瞳に映る大きな満月 通り抜けた切ない秋風 また見てしまった 叶うはずのない夢
あとがき
片想いについて
世の音楽や小説やマンガやドラマや映画などの創作物で〝片想い〟が頻出のテーマであることを思えば、現実の世の中ではいったいどれほどの数の〝片想い〟が存在しているのだろうか?
思春期の頃、両想いという世界は156次元くらい遠いところにあり、そこに到達出来るのは一部の限られた美男美女ばかりであった。美男美女同士が付き合うのだから、その他大勢は空気中に飛び散る粒子みたいにただフワフワと浮遊していなければならない。世界にたった2ピース限りのパズルみたいに、各々にとって適した相手が存在して、手と手を取り合えば他の組み合わせには支障を来さない、というものではなく、残念ながら現実世界では人気がかぐや姫的に集中するのだから、その他大勢は泣く泣く諦めざるを得ない。そんな現実の中では、結婚制度は成り立ち得ないのでは、と思っていた。
でも、あの頃の同級生達のほとんどが相手を見つけてちゃんと家族になっているし、街を歩けば何組もの男女が対になって流れてゆくし、一人で歩いてる人や友達と歩いている人だって仲良しの恋人がいておかしくない。当たり前のように寄り添っていく二筋の川。その裏側には、目に映る幸せそうなカップルの何倍もの数の片想いや失恋が存在しているんだろう。
誰もが感じたことのある〝片想い〟という経験。苦しみがあまりに大きすぎて、穏やかな日常の裏側にいくつも存在してることが、にわかに信じがたい。幸せそうな笑顔を遠くに見ながら、「自分だけなのかな」とか思ってしまう。でもそういう感情さえも、普遍的なものなのかもしれない。
学生時代では恋人を持つなんて恵まれた人の特権だったけれど、どこかの段階でパズルの世界に移行して、ちゃんと合う人同士が結ばれていくように落ち着いていくのかな。
恋は頭でするものではなくて、心で感じるものだから、心の隙間同士がピッタリ合致する相手というものが、みんなに存在してるといい。
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