桃花ぽえむ【恋愛】A③『もしも願いが叶うなら』

筆者
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執筆大好き桃花です。

本日は、過去に私が書いた恋愛の詩をお届けします。

同系統のものをアルファベットでまとめます。

すべて独立した作品ですが、順番にお読みいただくとストーリー形式になるようにしてあります。

ぽえむ【恋愛】A③『もしも願いが叶うなら』

もしも願いが叶うなら
もしも願いが叶うなら 一度でいいからあなたに会いたい
はちきれそうなこの想い もう抑えたはずなのに
やっぱり気づくとあなたを思い浮かべてしまう私
そうしてギュッと目を閉じて 届かぬ想いは募り募って……
このまま私は海になりそう
あなたの傍にはいられない あなたの一番の存在ひとにはなれない
そんなこと 解っているけどやっぱり私
せめて一目だけあなたをこの瞳で見たい
たった一度の私の心を持った私で
私は真っ白な翼が欲しい

もしも願いが叶うなら あなたに名前を呼ばれてみたい
どう考えてもこの願い 不可能すぎる奇跡なのに
何度も繰り返し思い願ってしまう私
そうしてゆっくり目を開けて 儚い希望はますます膨らみ……
このまま私は宇宙になりそう
    ねえ苦しい…… けど誰にもわからない
    名前を呼んで あなたの声で
    願いを叶える金色の箱 どうして誰も開ける機会を選べない
    今の止まらぬ思いを聞いてほしくて…
私の恋は実らない 私はあなたの真っ赤な他人
そんなこと 知っているけどやっぱり私
あなたの声を聞けるなら……
ほんの一瞬私が私の心を持っているうちに
私は一かけの奇跡が欲しい

もしも願いが叶うなら あなたを瞳に閉じこめておきたい
もしも願いが叶うなら あなたを耳に残しておきたい
もしも願いが叶うなら あなたへの想い 光になって

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あとがき

「芸術は苦しみから生まれる」

「芸術は、悲しみと苦しみから生まれる」とはかの有名な天才画家、パブロ・ピカソの名言だそうだが、無名なモモカーヌ(誰?)も、「芸術は、苦しみからしか生まれない」を推したい。

およそ人は、幸せの中にいる時は流れに身を委ねる箱舟の人のようで、どこにどう揺られても幸福だと思っているうちにはその船を操作しようとはしない。でも天候が怪しくなり、転覆の恐れが出てきた時、もしくはその行く先が恐ろしく高低差のある滝だとわかった時、状況は一変する。きっと躍起になってその船の方向を変え、溺れそうになってももがき苦しみ、なんとかしてその状況を変えようとするに違いない。

芸術は、そんな時に心の沈没をなんとか防ごうとする、一種の造作ぞうさくだ。そのままでは溺れて沈んでしまう心を掬い上げようとするための道具・・を創作しているのである。

偉そうなことを述べたけど、たぶんあながちウソでもない。私が詩を書き始めたのは、イジメの苦痛から感情を逃がしてやるためだったし、恋愛についても心がギュッと込もるのは「失恋した時」「苦しい気持ちの時」だからだ。

そしてこのAグループを書き始めたきっかけについても、始まりは苦しさからだった。実務的なことを言えば、失恋の苦しみをなんとかしたくて書いた詩に、後から①と②など幸せな時の詩を付け加えた感じだ。

かなり元も子もない話をしてしまったけれど、たぶん何か創作をしている人だったら共感してもらえる部分があるんじゃないかと思う。

カラオケでもよく歌われるのは失恋の歌だそうだし、何の痛みや苦しみの感情も発端にしないマンガや小説ってあまり聞かない気がする。誰かを大好きな気持ちってすごく大きなもののように感じるけど、失ったショックとかの感情は何かを産み出さざるを得なくなるくらい、強烈に強い。

心にえぐられた穴を、失った寂しさをなんとかしたくて、代わりになる何か――没頭出来る趣味、積み上げて得られる技術、感情を反映させた作品など――を創り上げていく、それが創作者という人なんだろう。

天候が一変した海原で、私が翻弄された箱舟の流れを追っていただけたら嬉しい。

筆者
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失恋は優しさの母(byモモカーヌ)

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