執筆大好き桃花です。
本日は、過去に私が書いた恋愛の詩をお届けします。
同系統のものをアルファベットでまとめます。
すべて独立した作品ですが、順番にお読みいただくとストーリー形式になるようにしてあります。
ぽえむ【恋愛】A⑭『このまま終わってしまうであろうこの恋に』
このまま終わってしまうであろうこの恋に
このまま終わってしまうであろうこの恋に 私は想いすべてを費やしてきた なんて儚かった私の毎日 夢を抱いてはしゃいでた あなたを思うだけで幸せになれた ……その頃の私は幼すぎたね このまま終わってしまうであろうこの恋に 私は“一生”を感じてしまった なんて愚かな私の恋心 あなたとの幸せを想像してやまなくて あなたのために生命を輝かせて ……きっと私は酔ってたんだね このまま終わってしまうであろうこの恋に 何も感じなくなるその前に あなたに抱いた無限の想い 声に出して伝えられたら…… このまま終わってしまうであろうこの恋に たとえ涙が胸を削ってイタみを彫っても そうしたツラさもあなたへの愛 もう今は…… あなたを思ってキズつきさえしていたい そう思うしかないくらい 好きで好きで仕方ないから…… このまま終わってしまうであろうこの恋は それでもいつまでも消えそうになくて……
あとがき
恋と私の間に出来る隙間
恋をしている時や追いかけている時、勝手に妄想したり勘違いしている時は幸せの真っ只中にあるけれど、それが〝失恋〟という形に真っ二つに割れて、そこから始まる絶望の日々。
誰かを憎みそうになったり、ただただ悲しくて涙が止まらなかったり、やっぱり諦められなかったり、いろんな感情ともみくちゃに闘いながらただ突破口に繋がらないか模索する時間が闇のように続く。本当にその時間は長く、苦しくて、孤独で、永久に終わらないんじゃないかとまで思ってしまう。
でも、どこかで途端に冷静になってしまう瞬間がある。
恋のことを、〝いつかは醒める魔法〟と表現してる人があるならば、その魔法が解けた瞬間というか、ずっとぴったり引っ付いていたかったその恋と、1ミリでも隙間が出来た瞬間というか。自分とその恋との間に出来た隙間を認識して、「ああそうか、自分には手に入れられないものだったんだ」と、(もしかしたらずっと以前にわかっていたかもしれなくても、)やっと言葉にして客観的にその事実を見つめられる瞬間。確かに失恋が決まったその瞬間も絶望の底に追いやられるような壮絶なものだけど、その後の悶々とした時期を経て、やっと立ち上がれそうになった時に自分の身に落ちてくるその冷静な視点も、寒々と身を刺すような痛みを伴う。
意識を吹き返したはいいけれど、そこは一面の雪景色で、何の希望も期待も湧いてこない、虚しさを通り越した空っぽな諦めの境地。そこには誰もいなくて、何の教えも助言もなく、耐え抜いたことに対する温かなもてなしも食糧も報酬も無くて、ひたすら静かで、キンとただ凍て付いているだけの冷ややかな場所。
そこに立って、誰かと交流するわけでもなく、人は、言葉にならないいくつかの想いを拾い上げ、無言で意味を見つけ出そうとして、答えも無いその場所で何かを感じ、やがてそこから歩いていく。
きっと誰もが通ったことのある場所だけど、それぞれの周りには誰もいない。ある種の思考空間であり、感情的体験をする不思議な場所。
この詩はその、恋との間に生じた隙間に感じたことを綴った詩です。
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