桃花ぽえむ【恋愛】A⑪『失恋』

筆者
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執筆大好き桃花です。

本日は、過去に私が書いた恋愛の詩をお届けします。

同系統のものをアルファベットでまとめます。

すべて独立した作品ですが、順番にお読みいただくとストーリー形式になるようにしてあります。

ぽえむ【恋愛】A⑪『失恋』

失恋
あなたに想像を走らせただけで
あなたがすぐ傍にいる気がして悲しくなるよ

    私の肩を引き寄せた孤独

触れたかったのはあなたの優しさ
ビクビクしながら手を伸ばして
触れてしまったのは失恋の冷たさ


あなたしか映せなくなった
この小さな頭の中だけにあなたが詰まっていることが苦しいよ

    手をつないでともに歩き出した切なさ

抱かれたかったのはあなたの胸の中
ドキドキと鼓動を高鳴らせて
抱いてしまったのは胸のイタみ

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あとがき

擬人法について

今回は、詩の内容に関連のあるトピックとして、擬人法について記述してみる。

擬人法ぎじんほう

修辞法しゅうじほうの一。人でないものを人に見立てて表現する技法。活喩法かつゆほう。「海は招く」の類。

出典:広辞苑

広辞苑先生格調高すぎてわかりにくいので、下記にわかりにくいと思われる言葉について追記。

修辞法:言葉を有効適切に用い、もしくは修飾的な語句を巧みに用いて表現する手法・技術。

活喩法:擬人法に同じ。

出典:広辞苑

ざっくりと言うと、次の通り。

 擬人法:人でないものを人にたとえて表現する技法。

 (例:空が泣き出した)    

「人以外」を「人に喩える」とはどういうことかと言うと、物質や動植物、自然現象などに人間的な動作を与えるということ。上記の例で言うと、「空」は本来人間ではないので「泣く」ことは無いが、その2つを組み合わせることで、表現を豊かにしている。絶対的な意味(答え)は無いことも少なくないが、「空が泣き出した」だと、「雨が降り出した」くらいの意味であることが多い。

【主語:「人間以外のもの」 + 述語:「人間の動作」】という構造にすると簡単に擬人法を使えるのではないかと思う。

例1:月(人間以外)が、微笑む(人間の動作)。

例2:海(人間以外)が、怒鳴っている(人間の動作)。

【形容(動)詞 + 名詞「人間以外のもの」】という構造でも作成可能。

例3:老いぼれた木

例4:優しい潮風

効果として、人以外のものをあたかも人のように表現するので、「読者がイメージしやすい」ということがあげられる他、その周辺の景色や事物への親近感も湧くよう。「草花が揺れている」よりも、「草花が歓迎している」の方が、ある場所に歩いていく登場人物が招かれているという安心感に満たされている気持ちが伝わってきて、読者もホッと気持ちが和むのではないだろうか。

草花が「揺れている」は事実だけれども、「歓迎している」というのは、登場人物(もしくは作者)が、(本来は人ではないのだから歓迎することのない)草花がそうしているのだと感じているということ。表現に感情が乗っているため、読者はより感情移入しやすくなる。登場人物に対してもそうだし、歓迎してくれた「草花」に対しても愛着が湧き、二倍世界に入り込めるようになっているのだ。

擬人法に限らず比喩表現全般に言えることだが、「どういう意味じゃい?」と思ってしまう表現も少なくない。(個人的には、「夜が噛み付く」には驚いた。賞賛の意味も込めて。「孤独」を瞬間冷凍したような表現だと感じている。)高度擬人法とも言うべきそれは、答えがある訳でもなければ、答えを求めることも野暮なのではないかと思う。その表現やその世界観から読者が何を感じ、どういうものをイメージするのかに正解は無い。ゾッとした感じか、悲しい感じか、切ない感じか、諦めきった感じか、あなたが受けた感覚があなたの中では一番正しい。そしてそれはその時の気持ち次第で変わるかもしれないし、時間の経過で変質するものかもしれない。でもいずれであっても、文字の連なりを目で追うことによって呼び起こされた感情があるならば、それを大切にして欲しい。

「国語」という学問上、試験では正解があることになっているけれど、物語の受け止め方については読者の数だけ答えが違うものだと思うし、比喩や擬人法は、読者に感じ方を自由に委ねさせられるテクニックの一つだと考えている。その自由さが、喩えるという技法の魅力だと思う。

さて、擬人法の特性やポイントをまとめると次の通り。

  • 擬人法とは、人以外のものを人に喩えるもの。比喩(他のものにたとえる技法)のうちの一種。
  • 小説や詩などで、豊かで生き生きとした表現にするために用いる。
  • 擬人法を使うことで、読者が感情移入しやすくなる。

擬人法を難しいと感じる人が一人でも多く、擬人法に親しんでくれることを願う。

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