執筆大好き桃花です。
本日は、過去に私が書いた恋愛の詩をお届けします。
同系統のものをアルファベットでまとめます。
すべて独立した作品ですが、順番にお読みいただくとストーリー形式になるようにしてあります。
ぽえむ【恋愛】A②『ただそれだけで』
ただそれだけで
どこから来たのかも知らない風が撫でるように あなたの声が心地よかった つい触れてしまいたくなるくらい ずっとずっと待っていた そんな気がしてしまうのは 微笑ったときにふっと漂う あなたの匂いが懐かしいから あなたを側で見ているだけで あなたがそうして微笑うだけで 幼い頃に返ったような 優しい気持ちが流れてくる 澄んだ水を手ですくうときの感覚のように 疑いもなく入り込んでいた くすぐったくて笑ってしまいたくなるくらい あなたに真っ直に惹きつけられる これほどまでに温かいのは 困ったときにすっと出てくる 素朴な言葉が優しいから あなたを心に想うだけで あなたがそうして喋るだけで 幼い頃に返ったように イヤなことをも忘れられる 幼い気持ちに返るときの 懐かしい匂いがする
あとがき
穏やかな恋について
恋はドキドキするもの。
でも、ときめいたりキュンキュンしたり、恋愛に対してそんなハッピーパワーガンガンのイメージしかないと、〝安心感〟〝安らぎ〟〝穏やか〟といった気持ちをもたらしてくれるものが平凡で面白味のないものだと敬遠したくもなるけど、〝落ち着く〟ってとっても大切な感情。
ふっと気づいた時に「あ、恋なのかも」と気づく想いも悪くない。
アクセルを踏み続けた車がすぐに燃料切れになるみたいに、人は前進力だけでは進んでいけない。ぶつかったり落ち込んだりした時に休憩できる場所、逃げ込める空間、ここにいれば落ち着けるという場所で元気を取り戻せることが必要だ。
あるがままの自分でいても受け止めてもらえるという安心感の中にある恋は強いよね。常に爪先立ちしてるような、無理した心の体勢じゃあ、やっぱり疲れてしまう。
〝安心感〟という気持ちは、あらゆるプラスの感情の土台になるものだと思うけど、きっと恋愛においてもそれは成り立つ。〝安心感〟の欠落した恋は、基礎の無い住宅みたいなもの。目立ちはしないけど、なくてはならない重要要素。後から気づいてもいいのだけど、ドキドキの向こう側にも、確かに〝安らぎ〟が待ってくれているといい。
〝懐かしい気持ちになれる恋〟というのも素敵。
初めて出会うのにそんな気がしない、とか、ずっと昔からそうやって接していたような気分になる、とか、ありそうななさそうな、そんな夢物語みたいな恋も、きっと手にしてみれば、すっかり馴染んだ同居人のように心の中に存在していくのだろう。家族になる前から家族のような、子どもの頃に戻れるようなそんな存在。
自分から求めにいくのは難しい要素ではあるけど、きっとそんな恋愛を経験してる人も少なくないだろうな。
私は自分を知っていく中で不安要素が強いんだとわかってきたので、〝安心感〟はマイトレンドキーワードになっている。
今回はそういう、〝穏やかな恋〟についての詩と雑感。
あなたの〝穏やかな恋〟について思うところなどあれあれば、お気軽にコメントください。
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