私には2歳年下の弟がいる。あだ名はニャンである。
大の猫好きというワケでも、顔つきや性格が猫に似ているというワケでもなく、その謂われは、名前が○彦であるということに由来している。「○彦→彦ニャン→ニャン」という流れだ。
このニャン、
- 神経質で几帳面
- 姉とあらゆる面で正反対
- ビビリ
という3大特性の他、
- 日本語を操れない
という奥義を隠し持っている。
本日はそんな摩訶不思議で予測不可能な生態系に迫ってみようと思う。
神経質で几帳面なニャン
ニャンはとっても神経質であり、器用である。その肉球には、ガラス細工のように繊細なもふもふが秘められている。
筆跡鑑定をしてもらおうものなら、鑑定歴1日目の初心者からでも、「神経質ですね……」と言われるに違いない。満場一致で「几帳面のかたまり」の票を勝ち取るイデタチをしており、性格も嘘偽りなく筆跡の通りである。努力せずにそつなくクリアしていくタイプ(秀才タイプではなく特段大事故を経験せず渡り歩くタイプ)ではあるが、抜けてるところは容赦なく穴ぽこだらけである。
姉とあらゆる面で正反対なニャン
考えられる主な真逆ポイントを上げるなら、
- 姉:文系、ニャン:理系
- 食べ物の好み
- 音楽の好み
この辺りだろうか。ここまで真逆だと、話も噛み合わない。
とある歌手がコインの裏表のように姉の「好き」とニャンの「嫌い」で構成され、
アニメのキャラクターの話題になってもお互い好みがまるで合わないし、
テレビ番組を見た時のイラッとポイントとニンマリポイントもそれぞれ異なる。
姉:細麺好き、ニャン:太麺好き
姉:すき焼きの方がいい、ニャン:おでんの方がいい
なので、おかあ(=母)も大変だったろうと思う。
たぶんニャンの姉との共通点は、「芸能人ネタに疎い」ということだろう。
ビビリなニャン
ニャンはとっても怖がりである。
特に、虫が出てくると、全身の毛を逆立たせて威嚇怯えモードに入る。
ゴキブリ、クモ、ゲジ、ハチ。
こういったものが田舎の住宅内には守護神の如く頻出するが、そのたびに匹夫の如く反応する。
その場から動けなくなり、姉の中学部活時代の竹刀を握りしめて果敢に挑もうとするが、
挑もうとするが、、
挑もうとはするが、、、、
結局はおかあ(=母)を呼ぶ。
おかあは料理中であろうが眠りを邪魔されようが「しょーもない!」と(時に寝言で)言って、
掃除機で虫をスポン!と吸い取る。
そして世の中には平和と静寂が戻る。
ニャンはその後も、「ゴキが中から出てきたらどうするのぉ」と怯えた声で母を追いかける。
いくつになっても、虫にはビビリのニャンなのである。
日本語を操れないニャン
ニャンのきわめつけは、「日本語が出来ない」ところである。無論ニャンは、日本出生、日本にて生育され、現在も日本国内に生息中である。
威厳を放とうとひとたび口を開けば、キバの隙間からは低日本語能力がダダ漏れて、辺りを笑いの渦に誘う。「喋らなければ可愛いのに」の動物人間Ver.である。
「凡例」を「ボンレイ」と読み、
「所謂」を「ショセン」と読み、
「生憎」を「ナマゾウ」と読み、
「欠伸」を「ケッシン」と読む。
知ったかぶりで喋れば喋る程ボロが出て、プライドを自ら潰しにかかっていくようなものである。
こんな弟を姉として「可愛い」と言わずに何と表現しよう!
びみょーな日本語がわからない。超理系の天然にゃんこである。(といっても動物学上は人間笑)
タイトルの所以
ある日、必要書類を郵送してくれとニャンに言ったら、後日ラインに、
「今日送ったのである」
という一文が来てて、滑稽な言い回しにおかしくなった。
故にこのシリーズは、名だたる文豪の格調高いタイトルに肖って、その存在を地上に現した。
「吾輩はニャンである」(ニャー)
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