【恋愛観】結婚について語る

アイキャッチ(恋愛観1) エッセイ
筆者
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執筆大好き桃花です。

今回は、「結婚」について思うところを語ります。

「結婚」って誰でも出来るもの?

私だって思ってた。いつか年頃になれば、こんな自分でも大切に思ってくれる人が現れて、結婚とか、するのかな、って。

でも悟った。人間には大きく分けて、結婚出来る人と、そうでない人がいるということを。

私くらいの年齢になると、同僚どころか年の離れた後輩まで、当たり前のように結婚をし、当たり前のように出産をし、当たり前のように育児をこなしている。もちろんその全員が子育てを経験しているという訳ではないし、既に〝離れる〟という選択肢を選んだ人もいるけれど、多くの人が当然のように〝結婚〟というイベントを経験している。

私にはそれが、心底不思議でならない。

それ相応の年になれば、自分にもそういう機会は与えられるのかと思ってた。でも、ただ漫然と生きているだけでは、きっかけが与えられるものでもないみたい。

結婚するのに必要な条件

しかも、結婚出来る人っていうのは、決してイケメンとか性格美人だけに限らない。平凡でも、もっと言えば職場でしょっちゅう怒鳴り散らして嫌われている人とか、どこを探しても長所の見当たらないような人だって、当然のことのように結婚して、平和に家庭を築いたりしてる。一方、愛嬌がある人気者で性格が良く、しっかり仕事もこなせる人や、明るく前向きで気配りも出来る癒やし系美人でも独身の人がいる。つまり結婚出来る人、っていうのは、決して外見や性格などのスペックに影響されない、ということだ。(有利には働くかもしれないが、絶対条件ではないということ。)

じゃあ、結婚とは縁のカケラもない私は一体何が欠けているのだろう?

わかりやすい他責思考とかしようとするなら、〝運〟とかのせいにするといいだろう。そして自責思考をしようものなら、そんなのあげればキリがないけど、やっぱこの暗い性格なのかな。壁を作っているつもりはないけれど、常にオープンマインドで自分をさらけ出していられるかと言えば難しい。

でもそれは私に限ったことでもないだろうし、私より暗い人だってそこそこいそうだし、それが理由で結婚が出来ないというのなら、陽キャしか結婚出来ない、みたいな公式が成り立ちそうだけど、実際そうでもないよね?

私だって時代時代で好きな人は出来たし、いくつか恋もしてきたけれど、それはいつも壊れるものであって、現実的に実を結ぶものではなかった。

一方、次々に結婚していく人達が血眼ちまなこになって婚活をしたのかと言えばそんなことは無く、たまたま同じ職場になった人と気が合ってということがほとんどみたいだし、職場じゃなくても別の出会い方、同窓会や習い事とかいう場であっても、やっぱりたまたま気が合ったのでその流れで、ということでゴールインすることが多いみたい(全部ではないだろうけど)。なんというか自然体で、まるで何かに引き合わされたみたいに気づいたら寄り添ってました、みたいな話をよく聞く。そういうのがいいなあと思っていたけれど、憧れてさえいれば全員そうなる、って訳でもないみたいで、そこから綺麗に漏れ落ちてしまったのが私なのだろう。

恋愛は一人では出来ない

考えてみたって、恋愛は相手のあることだから、自分ばかりが一方的に想いを募らせても実らない訳で、相手との意思の合致が絶対条件だ。そういう意味ではどんなに努力しても報われない恋だってあるし、美人や性格さえ良ければ必ずしも本人の希望する恋が成就するかと言えばそうでもない。

にしても、だ。

この人はどうやってあの人と結婚するに至ったのだろう、と疑問に思う人や、どう観察してみても魅力が無さそうな人が結婚指輪をめていたりするのを見るにつけ、やはり不思議で仕方ないのだ。出会って次の瞬間に結婚するという訳にはいかないから、そこにはそれなりの経緯があるはずで、つまり恋を育む時間というものがあるはずで、そのためにはどういうきっかけかはわからないが、「想いの丈を述べる」とか「勇気を振り絞る」段階がそれぞれに存在したはずで、そこからの無数のやりとりも積み重なっていったはずで、といったことを想像すると、なんかもう私の頭では追いつけないくらい途方もないようなことが、私の目に映る人々の間では知らない間に流れていたということだ。

一つ一つの奇跡(ドラマ)

高校の頃、友人が、

「今恋人同士の人達って、みんな一人一人が、凄まじい緊張を乗り越えて告白して、いろんな想いや経験を経て〝恋人〟としているんだよね。世界中のあらゆる恋人のほとんどがそう。それを考えると、ものすごいことだよね」

と言っていた。

本当に、本当にそう! 街を歩いていくカップルや家族連れの数々。それらの恋の一つ一つに、心臓が破裂しそうなくらいのドキドキ、会えない寂しさ、すれ違いの涙、胸があったかくなるひととき、飛び上がりたいくらい嬉しいこと、許せない程の怒り、嫉妬、苛立ち、悲しみ、諦め、情熱、想い、感動、楽しさその他、彼らだけが知っているドラマがあったんだと想像すると、目眩めまいがしてしまう。もちろん全員が希望通り願いが叶ってハッピーということではなく、その影にはさらに多くの失恋が転がっていて、今は仲良し同士の二人にも過去には別の恋愛があった可能性がある。目に映る人達に限らず、あらゆる時代の様々な場所では膨大な数の恋が紡がれていて、自分や他人のご先祖様のすべてにもそれがあって……。

それを思えばこそ、入社してすぐの子とかが社内恋愛を経て、定型文句調で「結婚します」とか報告するのを聞くと、

「そんなにカンタンなもんなのか結婚はー!」

と叫びそうになるのだ。

理解が追いつかない

好きな人とくっついて、お互いに気持ちが一つになって、その先に「これからも一緒いよっか」ってなるってことって、どういうことなんだろう?

まずさ、好きだと思って、それを伝えた時に相手がOKとなるかなんてわかんないよね。そこで撃沈することだって大いにあることで、ってかそもそもOKになる確率の方が少なそうな気がするし、さらにそれが続くかどうかもわからない訳で、雰囲気だけじゃなく価値観や性格や癖や生活スタイルや金銭感覚や好みや欠点など、ありとあらゆるものをお互い知って許容していく必要があって、ということなんかを考えると、やっぱり私の想像エネルギーのキャパを宇宙規模で超越してきて、追いついていかない。理解が出来ない。

でも、やっぱりそれぞれがそれぞれを選んだカップルはすごくお似合いだし、まるであてがわれた組み合わせのようにピッタリだと感じる。世界で二つだけでしかくっつかない磁石が、まるで同じ場所、同じ時間にポトンと落とされたかのように。荒波に揉まれた先でやっと掴み取ったものというよりは、まるで人生で自然と目の前に準備されたかのように。

本当に尊敬する。そこに至るまでの過程、ドラマ。とんでもなく悩んだだろうし、ものすごく恥ずかしかっただろうし、胸を食い破られるくらい絶望しただろうし、寂しいことも信じられなくなることもあっただろうけど、それを乗り越えるだけの愛情と希望もあったのだろう。一つ一つにそれがあると思うと、本当にすごい。すごい、ってしか、言えない。

前に喩えたかもしれないけど、恋愛って、広大な宇宙で飛び交う彗星同士の衝突くらいの確率ではないのかと。数多の星の中から、お互いに意識を同じ方向に向けないと、ぶつからないじゃない? たぶんミリ単位でズレても綺麗に衝突しないと思うんだ。スピードも、大きさも、成分も、時間も時空も、あらゆる要素がすべて揃って初めて衝突出来る。何かが一つでも違っていたら、出会うことはない。そんなイメージ。

乾いた感情

今の私は、わかりやすく言うと〝もういいや〟モードになってる。傷つくのが嫌、とか恋愛トラウマ、とかを通り越して、もう心が乾いてしまっている。羨ましいとか思う情熱もない。仲の良さそうな家族や恋人を見たりすると、自嘲気味な微笑みというよりももはや微笑ましく見つめる感じで、「素敵だな」って眺める。羨望じゃなくて、〝永久に辿り着けない向こう側の世界をガラス越しに見つめるみたいな感覚〟だ。私の知らない世界の話なんだな、みたいな感じ。

とは言っても恋愛を拒絶したり逃亡してる訳ではないつもりではいるけど。でもそこに向けようとする熱はない。別にどっちでもいい。強がりとかではなくて、〝結婚するだけが人生のすべてじゃない〟と思ってる。私は昔からそういうスタンスだったけど、どうしても特に年上の人から「結婚しろ」とか「結婚しないのか」とか言われて、つい数日前にも言われたからさ。

まぁ自分の家庭事情とか影響してるのかもしれない(あまり関係は無いとは思ってるものの)けど、昔から他人ほど恋愛にあまり固執してないというか、なるようになればいいと思ってるというか。でも人を好きになることもあるし失恋の苦しみみたいなものもわかってるつもりだから、言う程恋愛から遠い人間でも無いと思ってはいるけど。……わからん。大勢の中の自分の場所って案外わかりにくいものだものね。わかるのは、人間だからと言って皆が恋愛・結婚出来る訳ではないということと、いろんな点で優れてることと恋愛・結婚出来ることとは無関係に近い、ってことだけだよ。

というわけでこれからも私は、真っ直ぐな想いを込めた恋愛の歌なんかを聞いて、「こんなに人のことを想うこともあるんだな」って他人事のように思いながら泣いたりするんだと思う。

遍歴の記録のため

私が恋愛について語ると暗くしかならないから書かない方がいいのかもしれないけど、このブログではその時々に思ってることを正直に綴っていたいので。時間や状況が変われば考えも変わるだろうし、死ぬまで絶対にそうだからっ、て決めつける気は毛頭無い。

こういう時期も経て、「結婚しました」とか報告してたらそれはそれで凄いよね。想像も出来ないけどさ。

恋をしてる人も、結婚してる人も、本当にすごいと思う。いろいろあると思うけど、大切にしてあげてください。(私が言うことでもない。)

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