今回は、強度のHSPで敏感な私が長年悩まされている
「新月前症候群」と「満月前症候群」について綴ります。
同じ症状に悩んでいる方やその疑いがある方、
親しい人が悩んでいてご自身も症状などを理解したいという方にとって、
少しでもヒントになれば幸いです。
私自身の例ですが、具体的症状、対処法、注意点等についてご紹介します。
まえがき
私はどうやら、「新月前症候群」、「満月前症候群」というものを持っているようだ。
月のパワーが、とか言うと途端にオカルトっぽくなってちょっと危うくなってしまうのだけど、現実的に無視できない症状なので、このたび記載する。10代の頃から相当悩まされてきて、私の中では相当大きな部分を占めるくらいの重大問題だ。
同じように悩む方にとってヒントになるかどうかはわからないが、長年この症状と関わってきた私が、現在の向き合い方などをご紹介したいと思う。
「新月前症候群」「満月前症候群」とは?
「新月前症候群」「満月前症候群」とは、新月前や満月前に、心身に不調などが起きること。
新月前だと「新月前症候群」、満月前だと「満月前症候群」と呼ばれる。
不調とは具体的に、
体調もしくは気分の調子が悪くなる。(体のだるさ、気分の落ち込みや苛立ち、頭痛など)
といったことだ。(症状の内容や程度には個人差がある。)
スピリチュアル的なサイトによれば、
新月はゼロ(リセット)のエネルギー、満月は満ちるエネルギーのため、
新月前には不安や落ち込みなど、満月前には頭痛や気が高ぶるなど、が症状として起きやすいとしているようだ。また、感性が敏感な人や、女性に生じやすい、ともしている。
私は強度のHSP(女性)なので、感性が敏感な云々には当てはまってはいるなとは思う。そしてそのせいか症状も重たい(たぶん)。
明確な原因は不明とされているが、月の引力が関係しているのではないかという説がある。すなわち、月の引力によって満ち潮や引き潮がもたらされるように、体内の6~7割が水分で満たされている人間の体にも何かしらの影響があってもおかしくない、というものだ。
そうだとしたら、全然スピの範疇ではない、むしろ物理とかそっち系だ。そして説得力もある。
婦人科系の病院では満月時に出産が激増するのは経験則上当たり前、という話がある一方、新月時や満月時に必ず頭痛が起きることは医学的に全く理解が出来ない、と書いている医師のブログもあった。
正しいのか正しくないのかとか、原因があるのか否かとかは個人的にはさほど重要ではなくて、もはや私にとっては恐るべき真実かつ極めてしんどいこの症状や状況を、とても見逃すことは出来ない。スピリチュアルだろうが物理だろうが、実際に症状が現れている以上、現実的に対処していく必要がある。
私の場合
症候群の前身(〝落ち込み期〟)の発見
もう中学校の頃から、急に涙が止まらなくなったり、怒りが爆発して抑えきれなくなったり、何をやっても気分があがらなくてそのまま消え失せたくなったり、という時期があった。きっかけは誰かの何気ない一言だったりするが、通常ならば気にせず受け流せるはずのそれらの言葉がまるで矢のように一直線に心に刺さり、一気にメンタルが沈む。〝スイッチが入る〟のだ。
しかも突然。何の前触れもなくその時期は訪れる。
難しいお年頃だったし、親のこととか、イジメの後遺症でそうなってるんだろうな、と勝手に解釈していたけれど、定期的にその時期は繰り返しやってきて、とにかく辛かった。
高校の先生に相談したら、「規則性があるかもしれないから、記録しておくと何かわかるかもよ」とアドバイスされ、実際記録してみると、7日と21日付近にその時期が現れることがわかった。(月によってズレはする。)対処法が見つかった訳ではないが、それまで闇夜に突如襲われるかもしれないという不安に似た〝いつやってくるかわからぬ敵〟の出没時刻を概ね掴んだような気がして、その功績はとても大きかった。予測をつけて身構えられるというのは、当時非常に画期的だった。
以降私はその時期を〝落ち込み期〟と呼び、この時期は何をやってもダメだから無理をしない日、かつ十分気をつけなければならない日、として自分を律するようにしていた。
症状の現れる時期
新月もしくは満月の日の5~3日前から不調が現れ、満月の翌日くらいまでは続く。計1週間程度は不調の時期となる。
私の場合は新月前症候群、満月前症候群のいずれも持っているため、2週間に1度は不調期となる。しかも、女の子の日は別物のため、下手すると月に3回は調子を崩している。(ホントしんどいよ。)
遺伝や体質との関係性について
HSPと関係があるのかはわからないが、その感度が高まるような症状も感じることから、HSPであることと新月前症候群・満月前症候群とは関係性はある程度あるのではないかと思う。
親にそれとなく聞いてみたが、どうやらこの症候群の該当者ではないようだ。(詳しく聞いてないからわからないが。)よって、遺伝するというよりは、個々人の感性が関係していると思う。(とはいえ血縁者はHSP等の性質は比較的似てくるので、親子そろって症候群持ちというのもよくある話だとは思う。)
具体的症状
私自身の場合だが、主に下記に列挙した症状が現れる。どれも、普段とは異質なレベルの違いを感じるものだ。
- 些細な事や言葉ですごく落ち込む。もしくはすぐカッとなる。イライラする。
- 些細な事で涙が出てくる(すぐ泣きたくなる)。悲しい妄想が止まらない。
- 体が重い。動作が緩慢になる。活発に動けない。動きたくない。すぐ疲れる。
- 頭が働かない。よってうまく喋ったり、他人と接することが困難になる。仕事も、自分が何をやってるのかすらわかりにくなるため、基本的なことをするのも難しくなる。ミスしがち、スピードが格段に下がる、出来映えもよくない。むしろ仕事しない方がいいんじゃないの、ってレベルになる。
- 考えることが全部ネガティブの方向にすべっていく。不安や怒りがものすごく強くなる。もう生きていけないとか思う。
- 頭痛。前方(額)がズーンと重たくなるような、押されるような痛み。
- 眠い。寝ても寝ても足りない。朝も寝坊しがち。
- 一人になりたい。誰にも会いたくない。真っ暗な場所に引きこもりたい。
- 刺激にますます敏感になる。私は特に音が気になって仕方なくなる。普段のボリュームの音でもイラッとしたり避けたくなる。話し声とかニュースとかにイライラする。
- 甘いものとか、お菓子とかを異様に欲する。(疲れを回復しようとしてるのかも。)
- その他細々とした違和感。(においにイラッとしたり)
誰かの言葉などをきっかけにスイッチが入ることが多い。それまではなんともなかったのに、急に心がカッとしてイライラが溢れてきたり、どうしようもなく心が傷ついてしおれてしまったりして、振り返ると〝新月前〟もしくは〝満月前〟だった、ということがほとんど。しかも、他の期間に同様の言葉や態度を受けてもそんなに気にならないだろうな、ということが往々にしてきっかけになる。
他人の言葉や態度というきっかけがない場合は、耐えがたい程の眠気、理由無き頭痛、引きずられるような身体の重さ、などで気づいたりする。
①~⑪の全部が常に当てはまる訳ではないし、程度も重大な時とそうでない時もある。どちらかと言えば、〝満月前症候群〟よりも〝新月前症候群〟の方がキツいかも。
列挙してみたら、非定型うつの時の症状と似てるなぁ。
対処法
あくまで私がとっている対処法をご紹介する。特段真新しいものはなく、どれも当たり前の方法。
無理しない
とにかくこれに尽きる。実際は仕事や生活をやってるから困難ではあるけれど、「今は無理な時期なのだ」と自覚をして、絶対に無理をしない。
対外的(対他人)に何かを求められた時などは、「ちょっと今日体調優れないので」と言い訳をし、その日のクオリティーが著しく劣ることを暗に示す。大抵は、具合が悪いこともあるよね、と大目に見てもらえる。黙ってて失敗を犯すよりも、はじめから言ってしまった方が傷は浅い模様。
そして普段の50~100倍くらい脳が正常に働かないことを認識した上で、時間がかかろうとも繰り返しチェックしてなるべくミスを避けたり、電話前に話す内容メモを作って電話したり、当たり前の手順でも超基本を一つ一つ確認しながらゆっくり進めたり、失敗した場合にダメージが大きくなることは避けたりと工夫をする。
とにかく、ほとんど脳が正常に機能していないことを自覚して、最低限の仕事や行動をする。
それと可能な限り、大きな決断や影響が大きくなる事はしない。別日にずらすなどして避けること。
ただし、気分に関すること(イライラ、ネガティブ、悲しみ、胸の痛み、ぼんやり感など)は、出来るだけそれらに振り回されないように気をつける。どうしても仕方ない部分もあるけれど、他人や外部にそのまま噴出した場合、いいことはまず無いと思っていい。泣きたくなったらトイレに駆け込むとか、爆発しそうになったらいったんその場を離れるとか口と目を閉ざすとか、その時の感情は可能な限り秘めておいた方がいい。
我慢して抑え込め、ということではなく、他人や外部の前でそのまま表現するのは危険ということ。「無理をしない=感情のままにぶちまけてもいい」ということではないことに注意。
できるだけ寝る(休む)
そもそも眠いから普段以上に寝る時間が長くはなるのだが、それに逆らわない方がいい。考えもネガティブなものばかり沸いてくるし、イライラするし考えれば考える程悲しくなるので、それ以上精神にダメージを与えないためにも、寝てしまうのが賢明。
眠れない状況でも、出来るだけ動かない、考え事をしない、人との接点を避ける、何かを求められても保留するなど、できるだけ心身を休める方向へと努める。
眠い時期なのに考え込み過ぎて眠れなくなるということもある。この時期だけは努めて早く休むようにしよう。
考えない
まぁ無理ではあるけど、考えれば考える程どんどんネガティブが膨張していく(しかもそのネガティブの多くが、ただこの症候群に陥っているだけという理由による、ほぼ無意味な悪妄想なのだ)ので、できるだけ考えるということをしないようにする。
こういう時のために【気を紛らわせる方法リスト】を作っておくといいかも。歌を聴く、動物の癒やし動画を見る、お風呂にゆっくり浸かる、とか。ちゃんとリストアップしておかないと、いざ時期になると思考力が落ちて考えていた方法を思い出すことも困難となり、自暴自棄的な方法(飲酒、やけ食い、自傷とか)につい流れてしまう可能性が非常に高いので、事前準備をオススメする。
とはいえこの時期はどうしてもネガティブに考え込んでしまうものなので、私は気づいた時に思考を止めるよう自分に声がけをしてる。どんどん悲観的な考えや妄想が膨らんでいくのに気づいたら、心の中で「(考えるの)ストップ!」と言って考えるのを中断するのだ。たった一時であっても、高ダメージの思考の暴走を止めることは効果的だと思う。
特に、自分責め、人生への絶望感、周囲や外部環境への恨み感、あたりは癖になるし、巨大化しやすい割に心へのダメージがとても大きいので、気づいたら出来るだけストップをかけるようにしよう。
大丈夫、この時期が過ぎれば悪い妄想はスッと薄くなるから。
あえて浸る
対処法にはならないかもしれないが、もうこの時期は何をやってもダメなので、とことん浸るというのもアリ。(というかそうなってしまわざるを得ない、みたいなところもある。)
浸り方として、悲しい音楽をひたすら聴いて泣くとか、過去の悲しい恋愛とか傷ついたことを思い出して泣くとか。ちょっと不健康だけど、この時期はマイナスに強くエネルギーが働くから、それを利用してネガティブ感性を大きく育て上げ、目一杯に悲しい感情を味わうには最適とも言える。(ってそんなことを好んでする人はいないか。)
私の場合は、その時の消え入りそうな気持ちをそのまま詩(文章)に書く、苛立ちを紙にぶちまける、とかしてる。後で読み返すと、「こんなの誰が書いたんだろう」と困惑するくらい別人のような気がしてしまうけど、そんな気持ちの振幅があるからこそ深みのある小説が書けるようになるのだよね、と前向きに捉えるようにしている。
一過性のものであるという認識を持つ
これが永遠に続くものではない、ということを頭のどこかで認識出来ていると、幾分気持ちは楽になる。一生この絶望が続くのか、と思う程しんどいことは無い。満月や新月を過ぎれば嘘みたいに終わるものだ。そのことを理解し、「今だけ我慢」の精神で時が過ぎてゆくのを待つ。これが出来るようになると、その時期もだいぶ淡々と凌げるようになる。
その他
その他、「水分を多く摂る」「ゆっくりとお風呂に浸かる」など他の方法もあるようなので、自分に合った方法を模索していただきたい。
普段頑張っている分、この時期は自分をねぎらう時期に充てるという役割があるようだ。
注意点
これも主に自分向けの注意点だが、読者の方にとって少しでもヒントになれば幸いだ。
最低限のこと・必須のことは出来るように事前準備をしておく
この時期は馬鹿みたいに頭が回らなくなる。通常時では無意識にも出来ていた当たり前のことも、考えられなくてスッポリ抜けたりする。だから、絶対に欠かせない重要な事などは、メモしておくとか、スケジュールアラームを設定しておくとか、その前に済ませておくとか、どんなに調子が悪くても漏れないようにする工夫をしておくとよい。
その点、時期がある程度決まっているというのは、予定を立てられるので便利ではある。
対処法①でも記載した通り、重大な決断は可能な限りこの時期からはずらすようにするのがベスト。
また、【気を紛らわせる方法リスト】も事前に準備しておくといいだろう。【落ち込んだ時用自分への言葉】みたいなものを書いておくのも有用だ。
他人や外部には出来るだけ迷惑をかけないように心がける
どんなに辛かろうと、他人に頼ったり弱音や感情を吐露するのは我慢。何を言っても寄り添ってくれる人や支えてくれる人がいるという方は、そういう人に助けてもらうというのも素晴らしい方法だとは思うが、私の場合は一人でなんとかするしかないようなので、どんなに苦しくともこのルールは守るようにしている。(とは言っても迷惑かけてるとは思うし、かけてしまった方々もたくさんいるが……。)
この症候群は、話を聞いてもらったりすることで症状が無くなったりするものではなく、その後も繰り返し訪れる症状なので、できるだけ自分でやり過ごすのがベターと考えている。症状自体は一過性のものだし、この時の感情のままに他人にぶつけても、あまりメリットは無い。(人によっては絆が深まる、とかの可能性もなくはないのかもしれないが。)
親身に支えてくれる人が幸運にもいたとしても、何度も何度も頼ってしまうと、その人のことを疲弊させてしまう。その人のことを大切に思うなら、また長く関係性を保ちたいなら、「今具合が悪いけど、過ぎれば落ち着くからちょっとそっとしておいてね」っていうスタンスを保ち続けるのがいいと思う。(信頼出来る人には、新月前・満月前症候群であることくらいは言ってもいいと思う。)一度我慢を解いてすがってしまうと、ズルズルと巻き込んでしまうため、このルールはよほどじゃない限り死守(私の場合)。
本当にしんどいし、こういう時こそ誰かにすがりたくなるし、すがれる人がいてくれたらどれほどいいだろうと思うことは限りないけど。
他人に頼っていいか悪いかは程度の重さとかでも変わると思うけど、私くらいの場合だと他人を巻き込むとえらい大変なことになるから、やっぱり死守。すがりたくなったら紙に書く、泣く、寝る、を数日繰り返すとだいぶ落ち着いてる。そして、「巻き込まなくて本当によかったわ」ってなる。
無理にテンションを上げようとしない
元気なふりをしたり、無理してテンションを上げたりすると、高確率で不調期がずるずる長引くことになるので注意。また、この時期に楽しい事象などがあってつい気分が高揚したとしても同様にその後に響くので、あまり気分を上げすぎないのが本当はいい。
対処法①もしくは④に関わるが、この時期はとにかく安静にするに限る(低めで推移するのが望ましい)。「今は休め」って言われてるのだな、と思って抗わない。
結構しんどいが、毎度そこそこの不調を凌ぐと、後はスッキリする。対処法④のように意図的に急下降させると、一気に落ち込んでその後は一気に浮上し、スッキリ感がかなりいいので、とことん落ち込める(?)場合はそれも可。私は最近では、こっちの方が楽。
あとがき
今がそういう状態である、ということを自覚して生活するのとそうでないのとでは、雲泥の差だ。私自身、この奇妙な症候群のことを知らずに、原因を突き止めようとしたり、自分も他人も傷つけてしまう自分をとことん責めたり、いつ訪れるかわからないこの時期に怯えたりして生きていた頃は、苦しくて仕方なかった。
でも、体調(心調とでも言うべきか?)に定期的な波があることを知り、自分の弱さと愚かさのせいだけでこうなっている訳でもないと知ってからは、だいぶ楽になった。いろいろ試したりして、対処法も考えられるようになった。
知る、認める、受け入れる、というのは、心に安寧をもたらす。
抗うと、向かってくる荒波にさらに打ちのめされてしまうように、苦しさは増す。委ねてしまえば、消耗する体力を抑えつつ、辿り着くべきところに運んでもらえる。
まずは、しんどい時期である、ということを認めよう。そして自分の体質や性質、状態や感じ方などを見比べながら、どこまでなら出来るのか、何はダメなのか、どう工夫すれば凌げそうか、などを模索し、最適な過ごし方を見つけていこう。
私は他の人と比較した事が無いので、自分がどの程度のしんどさなのかはわからないが、毎度相当しんどい。でもこれも個人差なので、各人が自分の出来るようにしかできない。程度や重さも、症状自体も、対処法も、人それぞれ違うだろう。そんな中でも今回は、私が採用している方法や心がけをご紹介した。
とにかく現代人は頑張りすぎなのだから、無理をしないこと。この症候群の時くらいは自分を休めるように心がけよう。(とは言っても頻度高すぎるが。)
月の揺らぎに揺さぶられているすべての人が、少しでも楽に自分らしく毎日を過ごせるようになることを願っている。
無理しないようにしよう。
世界を見渡してみれば、仲間はいるよ。
(私の知り合いには症候群持ちがいないけど……。)
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