執筆大好き桃花です。
恋愛ノベルゲーム「悪魔執事と黒い猫(あくねこ)」の二次創作で短編小説を書いてみました。
前回までえらい闇堕ちしてしまったので、ひたすらドキキュンのストーリーにしました。ご安心を(笑)?
【注意事項】
下記作品は、恋愛ノベルゲーム「悪魔執事と黒い猫(あくねこ)」を題材に、私が書いた二次創作の短編恋愛小説です。
可能な限り元ネタの設定・構成・性格等を崩さないよう配慮しておりますが、私自身まだ元ネタのストーリーを完全に読み切れていないこと、元ネタのストーリー自体も途中であること、等の事情もあり、矛盾や乖離が生じる可能性もございます。
また、個人で作成した作品ですので、今後の本家様のストーリー展開には一切影響いたしません。
あくまで素人の二次創作であることをご理解いただいた上で、お気軽にお楽しみください。
※本作品は「その①ハウレス編」「その②ボスキ編」「その③アモン編」「その④ルカス編」「その⑤ラト編」の続きのストーリーとなっております。その①~⑤を読まずに本作だけでも充分お楽しみいただけるかと思いますが、気になる方はその①~⑤もお読みいただけると嬉しいです。
※短編とは言え14,000字以上ありますので、目次をしおり代わりに利用してくださいね。
気だるげな性格だが、悪魔執事になる前は孤児院を運営しており、子どもの世話はしっかりこなしていた。
剣術の腕前はかなりのもの。
趣味はギャンブルと詩を詠むこと。好物は和菓子とうどん。
真逆な性格のハナマルとはケンカばかりしていた主だったが、ある時危機を救われて……?
その⑥ ハナマル編 『翻覆』
別邸
新入りの執事と仲良くなりたい、という気持ちから、私は少しずつ別邸組の執事とも過ごす時間を設けることにした。
テディはいつも明るくてこちらまで元気にさせてくれる、ひたむきで一生懸命な執事。
ユーハンは常時落ち着いていて気品溢れる、高尚で優雅な執事。
彼らとはすぐに打ち解けて仲良くなれそうな気がした。とにかく執事達は皆、こんな私にもとても丁寧で優しい。
ところが、別邸組のもう一人の執事。
カワカミ・ハナマル、36歳O型。東の大地出身の執事で、好物は和菓子、緑茶。趣味はギャンブル。
いつもダラッとした自堕落系の執事で、ボスキやラムリも顔負けのサボり魔。
その調子はもちろん私の担当になった時も変わらず、何かお願い事をしても、「後でテキトーにやっとくわ」といった始末。
初期の頃から直感はしていた。彼は、彼だけは、残念ながら私のストライクゾーンには入ってこない。もちろん口には出さないけどね。
まぁ、人それぞれ個性や好みも違うし、相性とかってどうしようもないものだから、割り切って接していこうとは思っている。
人が人を変える程の影響力を持つということは素晴らしいことだと思うけど、私は彼らに自分の理想や願望を押しつけることはしないで、ありのままの執事達を受け入れたい。いい面も悪い面も含めて。
そう思っていたのだけど……。
別邸組の中で、その日空いていたのがハナマルだけだった。あまり気分も上向きにならず、話をしたいという意欲も湧かない。私は、ハナマルがポーカーや麻雀のルールを説明するのを適当に流し聞きしていた。彼の声を耳にしながらも、頭の中ではフェネスがアロマバスを準備している光景が浮かんでいた。
「お風呂に入ってこようかな」
ちょっとリラックスしたい、と思った私は唐突に言った。するとハナマルは急に差し挟まれた言葉に一瞬閉口したが、すぐにいつもの調子を取り戻し、
「今日は一緒に入る?」
とニタニタ笑ってみせた。
私は彼をグッと睨みつけてしまう。こういう冗談が、私は本当に苦手だ。
下ネタとか卑猥なヤツとかが本当にダメ。お酒の席でもっとも疎まれる、一番モテないタイプだ。ちょっとつつかれても、女性なら愛嬌持って応じつつ、少し思わせぶりな色気と余韻を残して相手してあげないと。そういう女性がやっぱり男にはモテるのだ。彼氏が尽きないタイプ。
でも、私にはそれが出来ない。根っから拒絶してしまう。
……別にモテなくていいんだけどさ。
そして頻繁に飲み歩いてるハナマルは、絶対そういう宴会で美人に鼻の下を伸ばしてちょっかいを出しまくるタイプ。親父ギャグに下ネタを絡ませ、女性に「ヤダー」とか言ってボディタッチさせることもお手の物の、人生を気楽に楽しんでいるタイプだ。そういう空気から逃れて隅っこの方で〝誰も話しかけないでオーラ〟を醸し出してしまう私とは真逆だ。
つくづく思う。ハナマルみたいに軽く生きてられたらきっと楽なんだろうな、って。思う、んだけど。
「じゃあ脱衣所で手伝うとこまでな?」
私には無理だ。自分に出来る最大限鋭利な視線でハナマルを貫くと、無言で部屋を出た。
軽薄
気分が浮かなくて、私は庭でぼんやりしていた。花でも見つめていれば気が晴れるかと思いきや、そういう訳にもいかなかった。こんな晴天のいい日和の時に。
「よっ、あーるじさまっ」
こういう時に最も会いたくない人物の声が聞こえてきた。軽いノリで挨拶されても、私はハナマルのように単純になれない。
「どうかしたか?」
「うんん、ちょっと休んでただけ」
言い訳になっていないことは承知していた。でも隠しようがないのだ。気まずい沈黙が申し訳なく思われて、私はハナマルに問いかけた。
「ハナマルはどうしたの?」
「俺? ちょっとこれから麻雀しに」
コイツは遊び惚けてるのか。他のみんなが忙しそうに仕事してる時にも。本当にどうしようもない人。私は大袈裟に溜め息をついた。
「え、何? なんかいけないこと言った?」
うんん、と私は首を振り、でも視線は一切合わせずに言った。
「ハナマルって私と相容れないよね」
ハナマルは頭の上に疑問符を浮かべていたが、やがて思いついたように明るい声で言った。
「主様も憂さ晴らしに麻雀しにいく?」
お断りの返事の代わりに、私は皮肉を返した。
「ハナマルに〝憂さ〟なんてあるの?」
するとハナマルは少し面食らった表情をして、言い返してきた。
「何言ってんだよ、俺にだって嫌なことはいっぱいあるんだ。たとえば賭け麻雀で負けた時とかさ」
「それってそもそも麻雀しなきゃいい話でしょ?」
「それじゃあ『麻雀が出来ない』っていうストレスが溜まる」
「そんなのストレスの内に入らない」
「主様は麻雀の素晴らしさがわからないからそんなこと言えるんだ」
「わかりたいって気持ちにもなりません」
「そんなバカ真面目に生きてたら人生損するよー?」
時々ユーハンの口から、ハナマルに対する愚痴がこぼれることがある。すぐさま詫びてくれるが、彼の気持ちが少しはわかる気がする。同室で過ごす時間が長いとあればなおのこと鬱憤が溜まるはず。こんなのほんの一部分だろう。
言い合っていたら、アモンが顔を出した。
「なーに二人で仲良さそうに話してるんすか?」
「仲良くないから! 良さそうに見える?」
と私は、ついついアモンに対しても突っかかってしまった。
「……そう、すか?」
アモンが勢いに押されて後込みする。
私が自分の気持ちを落ち着けようとしている一方、ほとんど動じる様子も無いハナマルは悪びれもせず、
「つうワケで俺は行ってくるわ。主様のお世話はよろしくなアモン」
と行ってしまった。アイツに「お世話」って言われるとなんかムカつくのは気のせいだろうか。
「あ、主様?」
アモンは色めきだっている私の様子を怖々覗き込んできた。
「これから麻雀行ってくるんだって」
「またすか」
アモンは呆れ顔だ。
「あの人のことは、あまり気にしない方がいいっすよ。ああいう人なんで」
アモンの言葉に、少し救われるような、そうでないような。
「もうちょいしたら仕事終わるんで、そしたらお部屋にお連れするっすよ」
私はハナマルの背中を見つめた。ホントマイペースで軽い人だわ、と思いつつ。
不和
そんなこんなで、ハナマルとはいっつもかち合っていた。というか平行線だった。絶対に交わらない直線、〝ねじれの位置〟とも言える。私の性格では残念ながらハナマルの良さがわからないし、ハナマルの方も扱いにくい主だと思っているに違いない。
まぁ、別にいいんだけど。
ユーハンが優しいし。ユーハンは所作振る舞いも美しいし、言葉遣いも気遣いも完璧だし、ハナマルの下品な言動とは正反対の、上品な色気がある。
私がハナマルの下心丸出しなイタズラに傷ついたりハナマルの仕事が不完全だったりすると、ユーハンはちゃんと諫めてくれて、私に対して謝ってもくれる。謝るべくはハナマルの方なのに。
やっぱユーハンみたいな、ああいう綺麗なんだけど魅惑的な奥深さがある人がいいなぁ。上品で綺麗なものが好きな私としては。
気まぐれで呼んでしまったその日も、ハナマル節は鳴り止まない。会話と言っても、賭け事やお酒の話ばっかり。こちらからは話題を持ちかけるのを諦めているから必定ハナマルがたくさん話すようにはなるのだが、あまりに私には興味の無い話ばっかりで、適当に相槌を打つばかりだ。
「ほらー、俺っていい男だからさ」
「あ、そうなんですね」
私は、初期のボーカロイドのイントネーションで言った。
「ちょっとー、主様は俺のこと嫌ってる? もしかして、ユーハンみたいながタイプだったり?」
「ユーハンは優しくていい人だよ。ハナマルと違って品があるし」
私がニッコリ笑うと、ハナマルは一瞬黙り込んだ。ちょっと意地悪し過ぎか、と思った時、
「主様は、俺の良さがわからないのね? 大人の色気がわからんと」
大人の色気というか、ハナマルの場合、オヤジ的下ネタ発想でしかないではないか。
呆れ果てていると、ハナマルは嫌味たっぷりの目で私を見た。
「主様はガキだからね。まだ俺の相手は早過ぎるか」
私はムッとしてハナマルを見たが、ハナマルはニヤニヤ笑ったままだ。
誰もハナマルの相手なんて求めてないから、と心の中で毒づく。それでもいつまでもそのセリフが頭から離れないのは、「ガキ」という言葉が実は的を射ているからだということはなんとなく理解している。
はぁ、よく言われますよ「子どもだね」って。否定しないし、それはそれでいい部分もあると勝手に思ってる。でも、こういう下衆な表情で言われると心底バカにされてるのがよくわかって、でも言い返せなくて、ひたすら悶々とする。
ハナマルは何やら意味深で嫌らしい目で私を見ている。
ムカムカしてきた。明日ユーハンに愚痴ってやろ、と思って私は自分を落ち着かせる。
決断
翌日、ユーハンを指名出来た時、なんてラッキー、と飛び上がるような気持ちで思った。この頃ずっとユーハンと一緒に過ごせなかったから、その喜びはひとしおだった。やっぱりこういう、ここぞというベストタイミングの時に現れてくれる救世主こそが王子様だ。もはや運命さえ感じる。
「主様、お久しぶりです」
ユーハンは部屋に入ってくるなり、優しくて落ち着きのある声で言った。
もう、完璧。声を聞いてるだけで幸せ。
「部屋を整えますので、少し、お待ちくださいね」
私はすっかり温かい気持ちになって、ユーハンの存在を感じていた。救世主の力は偉大だ。
茶道を嗜んでいるという者の動作は、その一つ一つに無駄がなく洗練されていて、まさに芸術品だ。カーテンに添える手の形の美しさ、調度品に注ぐ視線の麗しさ、手首の返し方のしなやかさまで、どこを取っても一級品である。まじまじと見つめるのも失礼とは思いつつ、私は目を離すことが出来なかった。
「ユーハンって、本当に所作が美しいよね。とっても綺麗」
私は思わずそう口走ってしまっていた。ユーハンは手を止め、パッと驚いた顔をする。そんな咄嗟の仕種さえも整っていて魅力的だ。
「お恥ずかしい。でも、主様にそう言っていただけて、とても光栄に思います」
こういう適度な距離感もしっかりしていて、本当に品のある執事に似つかわしいと思う。どこかの誰かさんとは大違いだ。
ユーハンは室内を雅やかな動作で設えると、私の話し相手になってくれた。そうして過ごす時間はあっという間に過ぎてゆく。
「主様は本当に、素晴らしい方ですね」
目の前でユーハンが穏やかに笑う。ユーハンの笑顔、本当に素敵だ。
今日ユーハンに担当をお願い出来て本当に良かった。昨日までのイライラしたことなど、全部すーっと消えていくようだ。
「実は昨日まで、ちょっとムカムカしてたんだ」
「左様でしたか」
「でも、ユーハンと話してたら、そんなことどうでもよくなっちゃった」
「私でよろしければ、お話をお伺いいたしますが」
「うんん、またユーハンと一緒にいられたらそれだけで嬉しい」
「主様……」
自分が、とんでもなく調子に乗った発言をしていることはわかってる。でも今日だけは、この浮かれた気持ちのままでいたい。〝今〟ってみるみるうちに遠ざかっていってしまうのだから、感じられる幸せがあるのなら、それを噛み締めることは悪いことじゃない。
「あの、主様、お話を中断して申し訳ございませんが……」
ユーハンは私に対して申し訳なさそうな表情を向けた後、私の背後に厳しい視線を注いだ。
「ハナマルさん。そこにいるのはわかってますよ」
え゛、と度肝を抜かれユーハンの視線の先を追いかけるように振り向くと、そこにあった扉が恐る恐る開いた。
「わかっちゃう?」
頭を掻きながら現れたのはハナマルだった。この世で最も醜い生命体を見たと思った。
盗み聞きするなんて最低。今ユーハンとメッチャいい雰囲気だったのに。それだけに余計最低。私はハナマルを睨み付けた。
「ヘンタイ」
ハナマルは相当ダメージを喰らったみたいだったが、自業自得だ。
一体どこから聞かれていたのだろう? ユーハンのセリフに私がトキメいた時からもう居たんだろうか? ということはあの時も? いや、さっきの会話ですらもう聞かれてればアウトだ。疑えばキリが無い。そして考えれば考える程、ムカムカしてくる。怒りが収まらない。
もう決めた。二度とハナマルを指名なんてするもんか。
ハナマルと話をすることの無い日々は平和だった。私は代わる代わるいろんな執事と過ごしたが、ハナマルだけは徹底的に選択肢から除外した。ベリアンがそれとなく提案してくれても、やんわりと断った。
別にイチイチ腹を立てなくても、最初からこうすれば良かったのだ。みんなと仲良くなろうという気持ちが強すぎて、少し張り切り過ぎていた。無理はしないようにしよう。
そうは言っても、ハナマルと全く顔を合わせない訳ではなかった。ヤツは基本的にヒマ人だったし、よく無目的で歩き回っていた。こんな場所で、という場所でバッタリ遭遇することも時たまあった。
そんな時でも、私は無視を貫いた。
「よっ」
「……」
「まだ怒ってんのかよ」
大人げないのはわかってる。でも、私はずっと引きずる方だし、やっぱりあれは人として許せないのだ。
「『ユーハンと一緒にいられたらそれだけで嬉しい』んだもんな?」
私はあまりのこっ恥ずかしさに顔を真っ赤にして振り返ってしまった。ハナマルは私を見下ろすようにニタニタと笑っている。
ハナマルの下劣なメンタルを思い切り叩きのめす言葉を投げつけてやろうとした。私にいかなるからかいも扱き下ろしも不可能にさせる、もはや再起不能と化す言葉を。
だが悔しいことにそんな言葉は浮かんでこない。負けるようで癪だったが、構ってる方が愚かだ、と自分に言い聞かせ、私はフンッと顔を背けてその場を去った。
採集
ある日の午後、私はロノとバスティンに連れられて、屋敷から少し離れた森で食糧の調達を行っていた。木の実や果物、キノコが驚く程たくさん採れる。私が喜ぶ顔を見て、二人はどんどんカゴをいっぱいにしていった。
「主様、ちょっとあの林まで行ってくるんで、しばらく待っていてください!」
「ここを離れないでくれ」
二人がいなくなった森は静かだった。私は顔を仰向け、枝葉の隙間から空を見上げた。もう日が傾いたとは言え、木漏れ日は一葉一葉を透かしながら、穏やかに降り注いでいた。
視線を戻すと、すぐ向こうに赤い実がたくさん見えた。ロノが「ジャムにすると美味しい」と言っていたヤツだ。
あんなに近くにあったのか。歩いてくる途中には気づかなかった。可愛い実がたわわに実っていることが嬉しくて、私は「ちょっとだけ」と足を伸ばした。
目的の低木は辺りに点在していた。私は「ちょっとだけ」を繰り返して、木の実を集めまくった。
そうして元の場所に戻っても、二人は帰ってこない。だいぶ長い時間がかかるんだな、と思いながら木陰で休んでいると、ギャアギャアと不気味な鳥の鳴き声がした。びっくりして顔を上げた時、先程見上げていた空の様子と景色が違う、と気づいた。
「ロノ! バスティン!?」
声をあげてみたが、周囲には誰の気配も無い。
いや、そんなに遠くまで歩いてないはずだから、きっと大丈夫、と思いながらも不安で仕方ない私は、森をさまよい歩いた。
迷子
すっかり夜になってしまった。
私はあれから森の中をグルグル歩き回り、恐らくとんでもない場所に来てしまっていた。早く二人を見つけなきゃと当て処なく歩き続けたのがいけなかった。広大な森の中を彷徨した挙げ句、やっと見つけた往来の道に出て、木の根に腰掛けて呆然としていた。
人通りも無く心細い。今のところ野生動物には蜂合わせていないが、森の奥からは獣の鳴き声がひっきりなしに聞こえてくる。
きっと二人は屋敷に戻り、他の執事とともに私のことを探してくれているに違いない。それなのに、それらしき気配は全く無い。
不安になってくる。もう帰れないかもしれない。このまま座っているより歩いた方が何か突破口が見つかるのかもしれないが、闇雲に歩いてもますますおかしな場所に迷い込んでしまう気もして、この場所から動けない。
スマホという文明の利器の素晴らしさを痛感した瞬間。こんなに簡単に道に迷うだなんて思ってもみなかった。
その時、向こうから歩いてくる人影があった。誰かと思えば、よく見知ったシルエットだった。
「おっと、これはこれは主様。こんな遅くにどうしたの?」
「ハナマルこそ、なんでこんなとこにいるの?」
「俺は自由の鳥だからね~。いつでもぷらぷらーっと遊びにいくのさ」
ハナマルはニターッと笑う。にしては武器を持っているし、シラフだ。
「さては迷子だな?」
図星を喰らってドキリとする。認めたくなかったが、その通りだ。
「じゃあこの俺様が屋敷まで連れてってやるよ」
ハナマルは、俺ってなんてカッコいい男なんだろうねー、と調子に乗りながら歩いていく。ムカつくけど、仕方ない。
しかし、なんでよりによってコイツなのか。
ハウレスは絶対に私のこと心配してるだろうし、見つけてくれたのがボスキだったら安心だったし(絶対キスされまくっただろうけど)、アモンだって不安な夜をますます色濃くしてるだろうし、ルカスもきっと……、と、いろいろ考え(もとい妄想)を巡らせていたら、ハナマルが俯く私を振り返って、
「おい、俺じゃ不服か?」
と、ぶっきらぼうな声で言ってきた。
「だって……」
と言いかけた時だった。反射的動作を取る暇すらなく、私の身体はとてつもないスピードで何物かに覆われたかと思うと、道端の茂みに押し込められていた。暗くてよく見えないが、すぐ目と鼻の先にハナマルの横顔があるようだ。
すぐ向こう側が眩く光った。白い光――天使がいるのだ。
天使は、こちらに気づいていないようだ。だがそれほど離れている訳でもない。見つかるのも時間の問題かもしれない。
暗くて視界の定まらない中、自分の状況が次第にわかってきた。私は身体を丸めて屈んでいて、木陰に身を潜めたハナマルの腕に頭ごと抱かれているのだ。ハナマルは刀の柄に利き手を突っかけ、じっと天使の方に視線を注いでいる。
暗いのでよく見えないが、間近で見上げるハナマルの横顔は研ぎたての日本刀みたいに鋭い。触れればたちまちに血飛沫が噴き出してしまいそうだ。普段の彼からは想像もつかないような殺気が全身から溢れている。
すうっと不気味な光を放つ天使は、道なりにこちらへ近づいてきた。首を不可思議な角度に傾け、ふわふわと亡霊のように浮いている。
天使の接近に伴い心拍音が増していく。ハナマルは天使が行き過ぎるのを見送るようだ。万一のため、いつでも応じられるよう構えているのだろう。
天使がすぐ脇を通ろうとするとき、怖くて体が震えた。するとハナマルは音を立てずに、支えていた私の頭を自らの胸に押しつけた。
――何も見えない。白い光も、ハナマルの鋭い目つきも。私は全部を彼に委ねて、ギュッと目を閉じた。
月下
……どれくらい時間が経ったのだろう。すっと身体が緩んだ時、辺りに白い光は無かった。
「大丈夫だったか?」
ハナマルはしゃがみ込んだままの私に手を差し出すと、引っ張り上げて私を立たせた。
すぐ正面に立つハナマルは、顔も声も変化は無いはずなのに、まるで人が変わってしまったかのようにカッコよく見えた。つい先程の、彼の目の奥に潜む鋒みたいな真剣さを思い出して、胸が貫かれる気がした。
そんな訳が無い、と自分に言い聞かせる。だが意に反して、子どもが初めて新しいものを見る時のように、両目がハナマルの全身をぐんぐん吸い込む。
私が変わってしまったのか……?
ハナマルはそんな私のことを、どう見ていたのだろう? 怖くて声も出ないと思ったのかもしれない。
ハナマルは少し口の端で微笑して、ちょっとぼんやりしたような目で、私の額に軽くキスをした。
ほんの一瞬だったのに、そこだけ世界の時が止まった――。
そのまま私の頭をポンポンと2回叩くと、ハナマルは何も言わずに歩き出した。私も彼の横に並んで歩く。いつもならくだらないバカ話をする彼も、それにイチイチ反発する私も、どちらとも何も言わず、ただ足音ばかりが響いている。
いや、足音と、ただひたすらに、胸の動悸が鳴っていた。恐怖による鼓動だけでは説明のつかないくらい、激しく痛い高鳴りだった。鎮めようとしても、いつまでも収まらない。
きっとハナマルも――。彼の気配もなんか落ち着かない。どうしようもなく胸が騒いで仕方ない、そんな風に感じた。私の思い上がりだろうか?
そのまま二人、急ぐ割にはゆっくりと、時間を惜しむ恋人みたいに歩いてく。
それぞれの動悸が、まるで美しく調和したハーモニーみたいに重なって響いていた。静かな夜の月明かりの下で。
屋敷が見えてくると、ハナマルは立ち止まりこちらを見た。
「主様が無事で良かった」
ハナマルの声と表情で、伝わってきた。ハナマルは私のことを、とても大切に想ってくれている。
私はなんだか不思議な夢を見ているようなぼんやりした気持ちに包まれていて、お礼を言うことさえ忘れていた。ハナマルが前に向き直って歩いていく姿が、スローモーションで流れていくようだった。
その直後、入り口からロノとベリアン、そしてボスキが飛び出してきた。
――そうか。この人くらいの実力があれば、私をどうこうすることなど、容易だったんだ。
不埒な事言っておきながら、私には一切手を出さなかった。一応、わきまえてくれてるんだ。
変調
あの夜から私は、たぶんおかしくなってしまった。
だからどうこう、って訳じゃない。
でもどうしても考えてしまう。
ハナマルのことを。
ハナマルが私のことをどう思ってくれてるのかを。
ハナマルが私のことを、きつく抱きしめてくれることなんかを――。
担当してくれていたラムリが少し部屋を空けた時、私は無意識にもハナマルのことを考えていた。近頃はふとした時間が出来るといつもそうだ。
あれから、私はハナマルに担当をお願いするのを控えていた。彼の前でいつもの自分じゃなくなりそうになるのが恥ずかしくて、怖いからだった。
ちょうどその時にノックの音がして、顔を出したのがハナマルだった。私は反射的にドキリとするのを隠しつつ、
「何か用?」
と尋ねた。すると、
「主様がさー、俺にハグとかしてもらいたいんじゃないかと思ってさ」
と、ニタリ笑うハナマル。
そのセリフに、私の中でブチッとわかりやすく音がした。
この人は、どうして私の甘い幻想を、私が大嫌いな下品なセリフでぶち壊してくれるのか。
自分でも自分が怖いくらいだった。ハナマルの反応を見れば、私がいかに殺気立っていたかが見えるようだった。
私は唇をムッと結んだまま、入り口に立つハナマルを押し退けて外に出ようとした。
「お、おっとぉ?」
ハナマルが私の行き先を遮ろうとしたので、彼を睨み付けて言った。
「なんでハナマルは女の人の気持ちがわからないの!?」
彼をほぼ突き飛ばすように突破すると、後ろも振り返らずに私は走った。
立ち止まった途端、まるで汗のように吹き出してきたのは涙だった。次から次へと溢れてくる涙で視界が霞む。押し出しても押し出しても、なかなか涙は途切れてくれない。一通り泣き尽くし、乱れた呼吸もやがて落ち着くと、私はその場所に腰を下ろした。そして両脚を引き寄せ、両腕で膝小僧を抱いた。
そのまま私は、黄昏れていく丘の斜面をぼんやりと見つめていた。
時折思い出したように穏やかな風が悠長に私の頬を掠めていき、止まっていた涙も、そんなおかしなタイミングで再び溢れてきたりした。
わかってたもの。ハナマルがそういう性格だって。
カッコいいとこなんて一部分だって。
やっぱりどこぞの飲んだくれのおじさんみたいに、女の人のカラダばっか見て、下ネタだらけで下品に笑って、女性を色気だけで判断して、自分の価値を上げるための腕時計みたいに値踏みしてるだけなんだ、って。
私のこと、本気で想ってくれてる訳なんかない、って――。
理由
なんか、何なんだろう?
なんで私、怒ってるんだろう?
ハナマルからしたら、何も怒られるようなことをしてないのに。だたのいつものハナマルのご挨拶だったのに。むしろ、わざわざ会いに来てくれたのに。
なんで私、こんなに胸が痛むんだろう?
すごく、胸がキリキリする。
全部、わかっていたはずなのに。
……私、期待しちゃってたんだ。
ハナマルに、少し照れて、恥じらいながら、ムードのある告白をされたい、って。
せっかくいい雰囲気でお互い気持ちのやりとりが出来たんだから、冗談ではぐらかすんじゃなく本気で、きちんと話して欲しい、って。あの、天使から守ってくれた時みたいに鋭い真顔で、カッコよく。
そしてそれは、ただの私の妄想と願望に過ぎなかった。
全部私のワガママだったんだ――。
独白
走ってくる人影が誰かわかった時、私は組んだ両腕の中に顔を埋めた。足音は迷い無く私めがけて近づいてきた。
「……悪かったよ」
そう言ってハナマルは隣に腰を下ろした。私は顔を伏せたまま、ハナマルを見ようとしなかった。
「俺も素直に、自分の気持ちを表現出来なくてさ」
ハナマルの視線を感じていたが、私は顔を上げなかった。ハナマルは私の様子を窺っていたようだったが、私が頑なに動く素振りも見せないとわかると、体勢を崩した。
「まぁいいさ。独り言だと思って聞き流してくれや」
そう言うとハナマルは、夕空にでも語り聞かせるように話し出した。
「ベリアンから『悪魔執事にならないか』って猛烈なスカウトを受けてたが、子ども達が独り立ちするまでは勘弁してくれ、って断ってた。それがとうとうその時期を迎えてしまってな、俺は悪魔執事になった。真面目な仕事なんて出来っこないと思っていたが、執事の仕事ってのがな、天使を倒すことと、主様の面倒をみるってことでさ、他に行く当ても無かった俺は、悪魔執事になっちまったのさ。まぁ成り行きでな」
ハナマルの軽い口調は、一人語りに最適の風合いだった。
「天使を倒すってのは、俺個人の望みでもあったし全力を尽くそうとは思ったが、問題なのが主様って人の世話の方だな。俺はこの通り不真面目だしさ、誰かのために何かをする、って気持ちになれんわけよ。だから正直、面倒臭かったよね」
ハナマルの正直な気持ちだろう。
「心配だったさ、どんな人か、って。こんな自分を受け入れてくれる人なんているのか、って。でもその主様ってのがな、本当にいい人でさー」
そこでハナマルは一度言葉を切った。
「色気は無い。冗談にも本気で怒る」
その言葉で私は本当に怒りそうになった。
「……でも繊細で、傷つきやすくて、思いやりがあって、人の痛みをわかってあげられる人で。一生懸命で、頑張り屋で、真っ直ぐで。いろいろと危なっかしくてな、いつも見ててやんないと、風船みたいにどっかに飛んでいっちまいそうなんだよ。さっき爆発して屋敷を飛び出してきたみたいにな」
ハナマルの声が自分の方を向いたが、私は突っ伏したままだった。やがてハナマルは、再び口を開いた。
「そんな主様に、いつの間にか惹かれてたんだよな。
興味も湧かない女だったら、勝手に飛び出していっても追いかける気にもならんけど、気づけば全力で探しちまったもんな。この面倒臭がりの俺が、さ」
しばらく、無音が続いた。
「……顔を上げてくれよ。俺が泣かせたなんて思ったら、辛くてやり切れなくなるだろうが」
ハナマルの右手が私の耳を覆う。私は警戒しながらも、少しずつ、顔を上げていく。
「おいおい、本当にそんなに泣いちまったのかよ。全く、ハナマルって男は……」
ハナマルは自分で言いながらも、やや困惑気味の声色だった。
やっぱりハナマルの顔を真正面に見たら、胸が鳴るようだった。
「ごめんな……」
ハナマルは私の頭を撫でた。許してもらえなかったらどうしよう、という不安げな表情だった。
「主様……」
私は彼の不安を消そうと、ハナマルの左手を握った。
するとハナマルは、ピタリと動きを止めた。私は繋いでいるハナマルの左手を見つめたまま、その手に自分の左手も重ねた。そしてギュッと、両手でハナマルの手を包み込んだ。
大丈夫、好きだから、と心の中で呟きながら――。
告白
ハナマルはしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。
「俺が急に真面目な顔したら、主様がびっくりすると思ってさ」
顔をあげると、優しく微笑ったハナマルの顔がすぐ傍にあった。
「今だけは、怒らないでくれよ?」
自嘲気味の笑顔でそう言うと、ハナマルは私を強く胸の中に抱いた。もはや冗談とは言えないくらいの力強さで。
「いつか俺だけの主様になってくれないもんかなーと思ってたんだよね。でもさー主様って大人気だから、みんなと同じ感じじゃ近づけないじゃん? だから遠くからちょっかい出してたワケ」
いつもの冗談じみた口調だけど、腕の中で直に聞くと、そんな声すら甘く聞こえてしまう。
「こうして一度手を出しちゃったらさ、抑えがきかなくなりそうで怖かったんだよね。自分が自分でなくなっちゃう感じっていうかね。
でもそれよりもさ、主様に本気で嫌われたらもっと嫌だからさ」
ハナマルは私の髪の毛を優しく撫でた。
「ユーハンにも相当妬いたな。やっぱ俺みたいなテキトーな人間よりも、主様はああいうヤツの方がいいんだろうな、って。自分を変えた方がいいのか、努力とかしないといかんのか、ってあれこれ考えたけど、俺には無理だな、って気づいたりな。ユーハンとラブラブだったのを聞いてた時もショックだったぜ? 何度諦めようとしたか知らん。実際今日も、自分に『もう諦めろ』って言い聞かせてたよ」
あの時、扉の向こうでハナマルが胸を痛めてたなんて、想像がつかない。
「それでも出来心で顔を覗きに行ったのがいけなかったな。あんな事言ったら絶対怒らせるってわかってたのに、ついつい言っちゃうんだよな。飛び出してった時、またやっちまった、ってえらい後悔したよ」
ハナマルの声の息が、私の前髪に温かく当たる。
「焦ったせいか変なところを探しにいっちまって、見つからなくてますます慌てたよ。空回りしてどんどん違う場所に迷い込んでさ。走りながら、自分が何やってるのかわからなくなった。……見つかってホント良かった」
ハナマルは一度そこで呼吸を整えた。
「俺ってヘラヘラしてて、こういうキャラじゃないじゃん? でもさ、主様のことはずっと見てたよ。最初っから不思議な人ではあったけど、なんか、ほっとけない。俺が傍にいて守ってやんなきゃならんわ、って気持ちにさせるんだわ」
そう言ってハナマルはますます腕に力を込めた。
「でも実際手を出してみてわかった。ガラでも無いが、俺は主様のこと、相当惚れ込んでるみたいだ。……すっごい、ドキドキするよ」
ハナマルの声が、うっすらと拡散して空気に溶けていく。ハナマルのドキドキは抱き締められた時から既に直接伝わっていた。私もハナマルと同じくらいドキドキしていた。
「俺の顔を見るなよ?」
そう言ってハナマルは、腕を緩めて私の顎に指を引っかけると、そのまま挨拶でもするかのように引き寄せて口づけた。チラリと見えたハナマルの表情は、すごく落ち着いているふうにも見えたけど、頬が少し赤くなっていた。
激しく胸が鳴った。ちょっと前までの、下卑たセリフで私を腹立たせるハナマルと、彼のふしだらな言動にイチイチムカついていた私とがキスをしているなんて信じられないくらいだった。からかいの向こう側に隠された真っ直ぐな気持ちがキスを通して伝わってきて、私を壊れそうなくらいドキドキさせているんだと思った。これまで反発して遠ざけていた分、反動が大きかった。
痛いくらいに胸が高鳴る。ハナマルの方も興奮してるみたいで、落ち着きなく私の頬を撫でたり、肩の後ろに腕を回したり、唇を押し当てる向きや角度を変えたりした。そのたびごとに私は意識がショートして、気持ちが次々に弾けていった。
「……はぁ。大好きだ」
ハナマルはキスの後、再び私を抱き締めた。強く。私が夢想していたのよりももっとずっと熱く、確かで、心も体も苦しくなりそうなくらい、きつく。
お互いの脈拍と動悸とで、世界がガンガン揺れている。こんなところまで想像の中では、設定出来なかった。ハナマルのキスがあんなにも熱くて必死だとも思わなかった。
妄想じゃなくて、私は本物のハナマルに抱き締められている。
時間をかけてハナマルは自分を落ち着かせると、小さな声でもう一度「大好きだよ」と呟いた。そしてゆっくりと腕を緩め、私と真正面から視線を合わせた。
「俺がこんな事を言うなんて、ちゃんちゃらおかしいだろう? でも、どうやらこれが正直な気持ちみたいなんだよね」
ハナマルははぐらかすみたいに言った。
「普段の俺に戻ったら、また信用ならんことを言うかもしれんが、今胸の内を明かしたんだから、大目に見てくれよな。充分伝わったでしょ?」
そしてハナマルは、夕陽に美しく照らされながら言った。
「主様は、俺が守るよ」
平生
「で、キスの次段階はいつする?」
ハナマルを指名してしまうと、この調子だ。私は顔を赤らめながらも頬を膨らませ、フン、と視線を外してしまう。
「んもう、『大目に見て』って言ったじゃん。まーだ俺のこと信用出来ないの?」
うーん、嬉しいんだ。嬉しいし、照れてるんだけど、何と反応したらいいかわからないというか、結局やっぱりそうなるのか、っていうか。
返答に困るよね、こういう質問。
「そういう所も含めて好きなんだけどね」
ハナマルはサラッとそんなことを口にした。これまでには無かった変化かも? と、淡い期待でささやかな喜びを感じていたら、
「大人の恋愛がしたかったら、いつでも言ってね。俺は退屈させないよ」
と、ニコニコしながらハナマルは言った。
ハイハイ、と私はスルーした。嬉しいのか悲しいのか、自分の気持ちがわからない。
するとハナマルは私の肩に腕をかけ、すぐ耳元に口を近づけて言った。
「主様はお子ちゃまだからね、俺の方が合わせてあげますよ」
そしてそのまま、胸を焦がす程の口づけを始めた。
ハナマル編 終わり
ハナマルについて(桃花的感想)
ハナマルについて
ハナマル様も私のタイプとは真逆側にいらっしゃって、「コイツで書くのは無理だー!」って思ってたけど、ならばと思い逆に振ってみた。バチバチケンカしてた相手と恋に落ちる系のラブストーリーも好き。主は全部私視点なので性格とか固定されているけど、いろんな相手方タイプのストーリーを書くのはとても勉強になる。
まぁ年甲斐無く中身はお子ちゃまなので、リアルラブは死滅してるけど、別にいいや。妄想恋愛サイコー!
ネーミングについて
公式様が明かしているのか、ファンの間では周知の事実なのかわからないが、個人的には登場時からのナゾである。
①花丸、なのか。②ハナマル(💮マーク)、なのか。
①の場合、和風、剣士、のイメージで「○丸」(蘭丸、影丸、みたいな)なんだろうかと思ったが、だと「ハナ」は何なんだろう? 華道とか花とは無縁の執事だし、出端の「ハナ」だとすると、「ハジメ」とか「秀一」とかと同様の意味が込められているということで納得は出来る。でもそこまで考える? 1位を狙え、みたいな感じで育ってきた性格? ……恐らく違うよね。
という訳で、②が濃厚? とすれば、やっぱり子ども好きだから、テストとかドリルに先生がグルグルつけるあれ💮かなぁ。でもそうすると、私の中では性格的なもの(怠けオヤジ)と、名前(ほんわか幼い)がズレてる印象でちょっと気持ち悪いんだよなぁ。
……は! もしや、③うどん繋がり? うどん好き由来で、はな○るうどん! いや、そんなはずは……。
とかっていうのを真面目に考え込んじゃうんだよねー。「考え過ぎだってー」ってよく言われる。深い意味は無いことだってあるし、自分だって意味深っぽそうに見せかけて実は何も考えてない、ってことだって大いにある。
まぁたぶん②だよね。ハナマルって名前の悪魔いないもんね。でもなんか不一致が気持ち悪いんだよねー。(←イメージと名前を合わせたい人。) ま、よっぽど子ども達を褒めてきたってことかな。
あとがき
……いずれにせよ、コイツで恋愛小説出来上がるとは思わなんだよ。決着出来てよかった。
でも小説と絵を書(描)くと、そのキャラ好きになっちゃう不思議。💮これからもよろしくー!
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