筆者
執筆大好き桃花です。
「と言いつつも、アンタどんな文章書くんよ?」
って方のために、自分の文章力について、自分なりに分析してみました。
このページを見ればおおむね桃花の文章力についてわかる、というページを目指しました。
執筆歴等
小学校高学年くらいから小説を書いて20年以上(年齢に触れたくないので詳細は闇の中へ)。
大学生くらいからほぼ毎年新人賞に応募するも音沙汰無し。詩については自費出版系の出版社からお声がけいただいたことあり。
ジャンルは純文学、エンタメ、SFあたりです。(エンタメ、SFは西尾維新さんみたいなずば抜けてるようなものは書けず、カテゴリ的にそこに分類されるものに挑戦してる、くらいの感じです。)
……というわけでただの素人です。
自己分析
強み
- 表現力、描写に力を入れてます。綺麗な文章が好きで追い求めてます。
- ウリ(個性)は、「海の底にいるような静かでもの悲しい文体(小説)」と「1度走り出したら止まらないハッチャケた文章(エッセイ)」とのギャップある二刀流です。
- 様々なキャラ、SFのようなアイディア、等、可能性を狭めずいろいろ挑戦して書いています。
- 安心感、安定感ある文章を目指しています。
弱み
- ストーリー展開、発想力は平凡以下かと。突飛なアイディアは持ち合わせておらず、奇抜な話は書けません。
- 書き上げるのが遅いです。
- 圧倒的筆力、みたいなのには遠く及びません。努力不足。
- 読書量が圧倒的に少ないと思われます。
- 好き嫌いがハッキリしているので、何かの要望に添って書く、というのが苦手かもしれません。
具体的にはどんな文章を書くのか(作品抜粋)
私らしさが出てると思うものをいくつかピックアップします。
小説については、過去の作品から一部抜粋します。詩、はっちゃけエッセイはリンク貼っておきます。
小説:『青の人』冒頭部(2010年頃)純文学
【概要】高校では別々になっていた昔からの幼なじみと大学で再会してからの恋愛小説。主人公の感情や相手の様子を海になぞらえて描写。切なく静かな感じ。
抱き締められるたびに、海の音がした。 〝青の人〟―― 私は彼を、そう呼ぶ。 その爽やかな笑みは、どこまでも広がる青い空のようだった。ミャマ、ミャマ……、と鳴き声をあげて風と戯れるカモメを思わせるように、その笑顔は雄大で素朴で、見ている者を安らぎで満たした。流れる声は穏やかな風のように心の隙間にすっと入ってきて、私の恋心を優しく揺らしていく。時折寂しさが泉のようにコボコボと湧き上がってくるときは、彼の優しさと懐かしさが、乾いた砂を潤していく海水のように私の胸に染み込んできて、私をいっそう切なくさせた。ふっと黙り込んだときに彼の目線は遠くの水平線へと走っていって、慌てて飛び込んだ私は冷たい海を泳ぎ切ることが出来ずに、結局海岸へと押し戻されてしまう。そこから見つめる遠くの彼は、寂しげというよりはどちらかといえば〝無〟を淡々と眺めているように見えた。彼の心はその時、深海を静かに見つめている、そんな気がする。誰も近くに呼び込まない、不思議な虚しさを秘めていた。 私が彼のことを、名前でもなく「彼」でもなく「人」と呼んでいることが、私と彼の距離を素直に表現していると私は思う。 近づきたいと、強く思う。けれども彼の波は、近づいたかと思ってもまたいつの間にか遠くへと去って行ってしまう。 寄せては返し、寄せては返し――。 彼の海の中に潜っていくことは出来ない。どんなに息を止めて長い間探してみても、広大な青の中、彼はどこにいるのか、会うことは決して出来ない。 悲しくなる。私と彼との距離がどのくらいあるのか、実のところそれさえも全くわからないのだ。 それでも私は、時に冷ややかで痛くさえ感じる水に浸かりながら、彼のいる青の世界の一部に自分がいるということを想って、心の荒波を鎮める。
小説:『星ぶつ島』冒頭部(2016年頃)SF的
【概要】10歳の少年が不思議な世界(〝夜の裏側〟に行ったり、感情を棄てられるウロがあったり、落ちてきた太陽を空へ返すお祭りがあったり、etc.)に行き、人生における示唆的な出来事を経験していく話。
まぶたを開くまでのほんのわずかな時間に、ボクは呼吸さえしていた記憶がない。 「よくシンのところに出たね。何十年ぶりだろう」 脳に直接響いてくる声を確認するように顔を上げた。 辺りはすっかり暗くなっていた。それなのにどういうわけか、やけに明るい夜だった。 視線を周囲に走らせ、その理由がわかった。 一続きのカーテンのようにこの世界を覆う植物は夜闇を弾き返すほどに蒼々と輝き、樹の幹や枝は輪郭がほの白く光っている。 耳をすませば寝息が、いや、吐息が聞こえた。ボクの口とは比べものにならないほど小さな口からこぼれる呼吸だ。息の主は見当たらない。しかしよく目を凝らして見ると、何千、何万もの呼吸の粒は、植物の葉の一枚一枚から立ち上っているらしかった。枝や葉の揺れ具合が、まるで寝入った人が繰り返す腹部の上下そのものだった。金魚が水中に泡をぽくんと吐く時みたいに、葉っぱにある無数の口元は一瞬ふくれたかと思えば、夜の藍色に吐息を飛ばす。その瞬間、呼気は甘くやさしくふわりと輝く。植物が神々しく光っていたのはそのためだった。 ボクは息を飲んだ。その場所がどこか不思議な場所であることがおぼろげにわかった。 視線を目の前に向けた瞬間、全身が粟立った。 白く光る世界の中で、一切光を放たない黒い空間があった。その闇は目を持ち、真ん前に立つボクを静やかに見つめていた。唯一光を注ぐ二つの瞳は異様に深く、異質に翳っている。生き物の目ではない、車のヘッドライトのようだと思った。 辺りを彩る光の植物とは対照的に、暗夜にまみれた黒い枯れ木の方が生命を持っているということが驚きだった。 少し遠くで堰き止められていた緑の吐息が一斉に放たれ、蒼く香った。ゾッとする恐怖心も薄れ、そのにおいにうっとり包まれた。 目が徐々に黒く塗り込められた空間を見ることに慣れていく。控え目な半月がじんわりと姿を浮き立たせ、ボクはやっと、それが男の人だということを理解した。
詩:『Even if』(2010年頃)励まし系
詩:『何度生まれ変わっても』(2010年頃)恋愛系
エッセイ:『お食事デート』(2016年)コミカル、ハッチャケ系
短編小説(二次創作):『無償の愛』(2023年)恋愛+憂鬱・闇堕ち
よく闇堕ちもします。→『恋愛短編小説(二次創作)その③アモン編』より一部抜粋
自分の経験してきたことが大きいのか小さいのかなんて、他人と比べることじゃない。私が乗り越えてきたことだって言葉にしてしまえば、他人にとってはただのありきたりな出来事。どんなに共感力や想像力のたくましい人にだって、他人の気持ちを理解することは出来ない。 自分のことをわかってもらおうなどと口を開いたところで、どうやら他人にとっては馴染みない異国の世界のことみたいで、ぽかんとされ、距離が出来て、浮いしまうのがはっきりわかる。この世の中で、私だけが分厚い霧で隔てられた別の次元で生きてるみたいだ。 勇気を出して打ち明けることなんてしなくていい。理解されることなんてない。みんな、自分が生きていくのに精一杯で、他人のことなんて正直かまってる暇がないのだから。 固く閉ざされた信頼の扉を開け放った先に、誰かが笑い続けてくれたことがあった? 困った時にその人はずっと自分の味方になって、いつも手を差し伸べてくれた? ……人には足があるのだから、同じ場所に留まり続けることは絶対にしない。 別に格好をつけて「ヒトリで生きていく」なんて言う必要はないの。コミュニケーションという渦の隙間から少し離れて、黙って目を閉じていればいいだけ。表面上だけ微笑える術を身につけたら、ほら私だって、〝普通〟にうまく溶け込めるから……。
筆者
少しでも雰囲気が伝わりましたら幸いです。
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